京の路地から From Kyoto with Love

Why don't you visit Kyoto to meet something new? 京都は私の空気、水のようなもの。新しい京都、古い京都。その中で、日々綴った、現代の枕草子。

Name:
Location: 京都市, 京都府, Japan

悪戯な好奇心の猿一匹、飼っています。Keeping a curious monkey in my mind.

Apr 26, 2006

おひし(再録)

 Ohishi is a the lozenge cake served for the girls festival in March. It also means the female part of women's body due to its similarity in shape. 

 おひしというのは、平安時代の女房言葉で、菱餅のことです。この言葉はまた、女性生殖器を現す言葉でもありましたが、現在では死語となっています。
 男性生殖器を現す言葉は、必ずしも淫猥なひびきをもたず、子育て段階からおおっぴらに使われますが、女性生殖器を現す言葉は、特殊な言葉だと思われています。それは男性の性的興味と緊密に結びついたひびきを持つため、女性の間では使うことが憚られるためのようです。
 女性生殖器の呼称が隠語とされるに至った原因には、それが男性の性欲の対象であったため、ということと、もうひとつ、重要な問題があります。それは、女性が成人する過程で、初潮を迎えると、それ以後、定期的に出血するという事情があったからだと思われます。我が国では古くから、血液を穢れのひとつと考えていたため、定期的に出血する女性そのものを穢れた存在と考える傾向があり、今でも、一部の世界に女人禁制という制度が残っています。分娩もまた、穢れたものとされ、お産は常の住居とは別の、そのために造られた産屋で行い、その際、食物も別の火を使って煮炊きされていました。
 女性そのものと合わせて、女性生殖器までが、暗闇におかれてきたのです。おひしという表現は、おそらく女性が使った言葉だと思います。そこには何ら差別的意識はなく、手や足や、鼻や口と同じ、体の一部を呼ぶ呼称としてすぐれていると思います。
 性行為が次の世代を産むための重要な行為であり、、女性の月経がそれに関係した生理現象であることだと認識されて、女性生殖器を現す呼称が、復活するのは、いつのことでしょうか?

Labels:

0 Comments:

Post a Comment

Subscribe to Post Comments [Atom]

<< Home