京の路地から From Kyoto with Love

Why don't you visit Kyoto to meet something new? 京都は私の空気、水のようなもの。新しい京都、古い京都。その中で、日々綴った、現代の枕草子。

Name:
Location: 京都市, 京都府, Japan

悪戯な好奇心の猿一匹、飼っています。Keeping a curious monkey in my mind.

Nov 6, 2008

半七捕物帖

 光文社文庫の時代推理小説のシリーズに、岡本綺堂の「半七捕物帖」が収録されています。ふとしたきっかけで読み始めたのですが、これが病みつき。面白い。全6巻で、各巻400〜500頁ありますが、あっという間に読み切ります。
 半七捕物帖は、人形左七や銭形平次などの先駆けとなった作品で、捕物ものの泰斗です。何が面白いかと言って、絡んだ謎を解く半七の活躍は言うに及ばず、全編を通奏低音のように流れる、江戸情緒に酔わされます。江戸下町の息遣いというか、八つぁん熊さんが間近にいるような臨場感です。
 いくつか、本文から用語を拾ってみると・・

切組み、軽子、生(なま)成の仮面、鰊の蒲焼き、八百屋お七の睨みの松、鈴ヶ森の縄手、繻子奴、振出し、色っ早い、稗蒔売り、蛇こしき、あの女が胡乱だ、節季候、とんだ鏡山のお茶版、とんだ孫右衛門よ、潮干狩りの伝馬や荷足(にたり)船、逢魔が時、因業屋、亀戸の鷽(うそ)替え、得脱の祈祷、軽師職(きょうじや)、11月8日の鞴祭り、木連(きつれ)格子、べんべら物の半纏、出任せのちゃらっぽこを云って、芝神明宮の生姜市、白歯の生娘、利兵衛という白鼠、紅摺りの団扇、

 このような言葉の海を、謎に満ちたストーリーが展開していきます。
 いまや、ゆっくりと腰かけて本を読むという楽しみは、過去のものかも知れません。文章に接するといえば、携帯メールが大半という人が増えているのかも知れません。一日に30分でもいいから、カフェでゆっくりお茶でも飲みながら、本を読む、そんな時間をつくってみませんか?

Labels:

0 Comments:

Post a Comment

Subscribe to Post Comments [Atom]

<< Home