京の路地から From Kyoto with Love

Why don't you visit Kyoto to meet something new? 京都は私の空気、水のようなもの。新しい京都、古い京都。その中で、日々綴った、現代の枕草子。

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Location: 京都市, 京都府, Japan

悪戯な好奇心の猿一匹、飼っています。Keeping a curious monkey in my mind.

Aug 28, 2009

オムライスとハヤシ

 有名店です。
 グリル「小宝」(075-771-5893「こだから」と読みます。「子宝」ではありません)という洋食屋さんで、平安神宮の東側の石垣沿いに北へ上がった右手にあります。市バス5番と32番で「動物園前」下車します。

 オムライスとハヤシ・ライスがおいしい。他のメニューもおいしいのだと思いますが、今日はこの2点に絞ります。お店は1961年の創業ですから、あまり古くはありません。自家製のデミグラ(ドミグラス?)・ソースがご自慢です。オムライスのトッピングもケチャップではなくて、このソースです。チキンライスはタマネギと自家製?の牛ミンチの味で、甘くも辛くもありません。ケチャップの甘ったるい味をお好みの方には向かない、大人のオムライスです。難点は量が多いので、小食の私には少々キツい。¥900です。ハヤシ・ライスはご飯が見えないくらいのハッシュドビーフで¥1150。やはり、このお店では、まずこれを注文するのが礼儀かも知れません。
 そのハヤシライスですが、始めていただいた時の感想は、「おいしいハヤシライス」ではなくて、「こんなに美味しいもの、食べたことない」という感激でした。若い頃、食堂でお試し気分でハヤシをたのんだときは、一口食べて後悔して、もう二度と注文することはありませんでした。定石通り、タマネギタップリです。何とも形容できないのは、そのデミグラ・ソースの味です。このソースだけは、店の主が、時間をかけて手作りするそうですから、お好きでなくても、一度は経験してみてほしいものです。京都の食は基本スロー・フードです。「誰」が作った「何」という固有名詞の食です。古い材料は使わず、お店もトイレまで掃除が行き届いてきれいです。
http://gourmet.yahoo.co.jp/0006712127/P011092/

 洋食屋さんですから、他にもメニューは充実しています。デミグラ・ソースのお好きな方にはハンバーグ・ステーキはお勧めです。¥1700。得体が知れないのが、エビ・ジクセルと、ビーフ・ジクセルというメニューです。洋食ファンの方なら、常識なのかも知れません。シャトーブリアンもあります。¥4500。サンドイッチも8種類ありますが、珍しいのはカニ・サンドというメニューです。¥2450.

 定休日や営業時間等はネットでどうぞ。私自身は、食堂のオムライスとか、ハヤシライスとかしか知らなかったので、始めて行ったときには、カルチャー・ショックでした。ケチャップが出しゃばらず、ハヤシが甘ったるくないのに、感服しました。業務用の缶詰でなく、手作業で作るデミグラ・ソースには、「美味しい」という通りいっぺんの感想ではなくて、深い感謝の念が湧き起こります。町のの食堂とか居酒屋では、セントラル・キッチンとか、冷凍食品とかで、店員がただ盛り合わせただけの食品を、当たり前のように食べさせられるのですが、彼女を連れて行くなら、子供に食べさせるなら、ちゃんとした料理人が作った、そう高くもない900円のオムライスをお試しになってはいかがでしょうか? 平安神宮の近くですから、お昼に立ち寄れるロケーションです。オムライス、ハヤシ・ライスに、改めて目覚める体験になるかもね。

 仕事に疲れて、オムライスを食べる産科医、なんて絵にもなりませんが、ヒト、仕事、人生、を考えるヒントがあります。「本物に惚れる」ということです。900円を払って、これを食べて、決して後悔しないという選択。そんな積み重ねが、ヒトを作っていきます。有名だからとか、綺麗だからとか、有名人がやっているお店だから、とか、そんな負け組人生を歩む最短距離的選択とは、できるだけ早くおさらばした方がいいと思います。

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