京の路地から From Kyoto with Love

Why don't you visit Kyoto to meet something new? 京都は私の空気、水のようなもの。新しい京都、古い京都。その中で、日々綴った、現代の枕草子。

Name:
Location: 京都市, 京都府, Japan

悪戯な好奇心の猿一匹、飼っています。Keeping a curious monkey in my mind.

Mar 5, 2011

雲丹の味と豆腐の味、知っていますか?

 メニューを認めたカードを見て、「雲丹は嫌いだ」と言っていた人が、ふと見ると、その雲丹を鮑の酒蒸しに塗ってせっせと食べています。「雲丹は嫌いでは?」と尋ねてみたら、「おいしいから」というお返事です。

 こんな場面に出くわして、何を考えたらいいでしょうか?
 実は、雲丹という食材は、大変傷みやすくて、その保存方法を知る必要があります。実は、その食感や形状を維持するために、にがり(塩化マグネシ ウム)を使用しています。実際に私たちが食べる雲丹で、この処理をしていないものを食する機会は滅多にありません。そのときの雲丹は、幸運にも、新鮮な生 きた雲丹をクールで取り寄せたものを食卓に供する直前に割って出したため、その保存処理をしていない、超新鮮な雲丹だった、というわけです。私は海辺の育 ちなので、幼児から、新鮮な雲丹を食べていましたから、その雲丹を食べたときから、これは新鮮だ、と感じていました。

 にがり処理をしていないことを一口で悟ったその人は、実に鋭い食感の持ち主だという証明です。野生の獣にも匹敵する、真のグルメと言えます。そ もそも、その辺のお店で雲丹を食べて、やっぱり雲丹はおいしい、なんて言ってる人は、雲丹を味を知らない人だ、ということです。況や、回るお寿司の雲丹の ごとき、もう溶けてしまっていて、雲丹の形状すら保っていません。あれはもうすでに、雲丹ではないのです。
http://patent.astamuse.com/ja/published/JP/No/2007061052

 もうひとつ、日常の食材である豆腐ですが、そもそもはにがりを使って作っていたのですが、現在スーパーやコンビニで手に入る豆腐の多くは、にが りでなくて、安く手に入る硫酸カルシウムを使用しています。この味を知っている人は多くないかも知れません。京都で暮らして、きちんとしたお豆腐屋さんで 買った豆腐を食べている人なら、一度スーパーの豆腐を食べたら、その違いがわかります。硫酸カルシウムとは、つまり石膏です。グラウンドに蒔く石灰のこと です。石灰で固めた大豆を食べているのです。それが当たり前になって、豆腐が好き、と言っている現代人は何だか哀しい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%86%E8%85%90

Labels:

0 Comments:

Post a Comment

Subscribe to Post Comments [Atom]

<< Home