京の路地から From Kyoto with Love

Why don't you visit Kyoto to meet something new? 京都は私の空気、水のようなもの。新しい京都、古い京都。その中で、日々綴った、現代の枕草子。

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Location: 京都市, 京都府, Japan

悪戯な好奇心の猿一匹、飼っています。Keeping a curious monkey in my mind.

Jan 28, 2011

青い目の舞妓体験

 1月22日の土曜日、ドイツから来ている女性医師の、京都一日観光案内を仰せつかりました。20台後半(と思いました)で独身です。さて、どちらにお連れしたらいいか?さすがの観光都市京都もシーズン・オフで、派手な見所はありません。まず脳裏を掠めたのは、平凡ですが金閣寺か清水寺でした。そこで間接的に、金閣寺を案内しようと思うが、彼女はどんなところへ行きたいのかと尋ねてみると、金閣寺は以前京都に来たときに行ったことがあるというお返事でした。でも、こちらに気を遣ってか、綺麗なところなので、もう一度行ってもいいという。

 医局で朝9時に待ち合わせて、まずはイノダ四条店へ行き、朝食を摂りながら直接、どんなところが見たいのかを尋ねてみると、Shinto Shrine(神社)を見たいというお返事です。「う、これは素人臭くない」と思いました。彼女は寺と神社はどう違うのか、と尋ねてきました。単純で初歩的ですが、京都観光をデザインするにあたっては根本的な問題を含んでいます。私は、「寺は死者の眠るところで暗い、神社は神を祀るところで明るい、神社へ行くのはいい選択だ」とお答えしました。
http://www.inoda-coffee.co.jp/shop/4jo.html

 山城の国一宮の下鴨神社をご案内しようと決めて、まずイノダさんを出て、野生の勘に頼って錦市場へお連れしました。当たりでした。彼女は魚屋さんや乾物屋さん、漬物屋さんなど、どのお店にも興味があるらしく、質問攻めです。鱈の白子や、奈良漬けを見て、これは何だと訊いて、写真を撮っています。目がギラギラ輝いている。「私ここ大好きです」と超のつくお気に入りです。最たるものは、たなかさんという和菓子屋さんで、一個70円の可愛いお菓子を12個選んで箱詰めにしてくれるセットを、嬉々として一個一個選んでいるすがたは、外国人でも医師でもなく、一人の少女でした。「同じだんだなあ」と思いました。
http://www.kyoto-nishiki.or.jp/

 東京ディズニーランドや木曽路・馬籠宿など、観光の定番のようなスポットは、その実、お金をかけて設えたテーマパークです。馬籠宿は、燃えてしまった宿場街を観光用に歴史風土風に作り直したものです。金儲けのための施設で、案の定金を使って、旅をさせられて帰ってくるのが、私たちの、旅行代理店に仕組まれた旅の実像です。

 旅の醍醐味は、訪れた土地の、歴史とありのままの姿だと思います。錦市場の普通の和菓子屋さんで、ドイツの若いお医者さんが買い物をしている姿に、300年にわたって、京都の町の人たちが食べているお菓子を仲立ちにして、二つの文化の出会いを見た思いでした。
 
 お連れした糺の森と下鴨神社は、かたや平安京以前からの原生林であり、一方も平安京以前から賀茂族という渡来人の信仰した神社です。京都以前の京都の歴史と自然に、直に触れる旅として秀逸です。彼女は神社にあった絵馬に目を奪われて、「これはなにですか」と尋ねてきました。鋭い。日本人の観光客なら、この質問はないと思います。絵馬は絵馬だからです。実はその昔、人々は神社に生きた馬を奉納していました。それがいつしか、本物の馬ではなくて、絵に描いた馬、だから絵馬を代わりに奉納するようになっていきます。そんな歴史を彼女は知ることになります。
http://www.shimogamo-jinja.or.jp/
http://www43.tok2.com/home/kyoto/maple/07-rakuchu/tadasu/maple.html

 また神社で手に入れることのできる破魔矢を見て、「この矢はなんですか?どんな意味があるのですか?」とのお尋ねです。実は火雷命という神の化身だったのの伝説に基づいています。玉依姫が鴨川で禊をしていたところ、上流から丹塗りの矢が流れてて、その矢を床の間に飾っておいたところ、その矢が男に化け、玉依姫は懐妊し、賀茂別雷命(カモワケイカズチ)を産むことになります。下鴨神社は正式には賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)、上賀茂神社は正式に賀茂別雷神社(かもわけいかずちじんじゃ)といい、両方合わせて加茂神社です。。だから賀茂神社では、ご神体としての矢を授けていつのです。
http://www.ffortune.net/spirit/zinzya/kami/kamowake.htm
 
 下鴨神社といえば「加茂みたらし茶屋」をはずせません。神社から下鴨本通を渡ったところにある茶屋でいただく元祖みたらし団子が彼女のお気に入りでした。「おいしい」と言って、たれまで舐めてしまう気に入りようです。後日も、「団子すきです」と言っていたので本当でしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BF%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%97%E5%9B%A3%E5%AD%90

 下鴨神社の後は、西陣へ。上七軒にある「おっふぃす勝ふみ」へご案内しました。京都最古の花街である上七軒で、かつて超売れっ子芸妓だった勝ふみさんのスタジオで、舞妓・芸妓体験できます。所要時間は約2時間。貸スタジオというだけあって、各回1組限定です。勝ふみさんは現在現役の芸妓さんではないですが、呼べばお座敷にも出てくれるそうです。垢抜けして、気っ風がよく気持ちのいい美人とお見受けしました。実際の変身スタジオでは、当日は娘さんのあやちゃんを含め三人がかりでの悪戦苦闘です。本物の芸妓さんが、本物の小物、着物を使っての変身です。変身途中の撮影は自由で、舞妓さんや芸妓さんのお話をしながらの2時間です。仕上がりは非の打ち所のないもので、本人はしんどかったと後で述懐していましたが、異文化との出会いに心から満足されていました。鬘、衣装は重くて15kgを超えるとかで、素人が外で歩くのは難しいとのことで、当スタジオではお散歩はできません。祇園などで、変身後街を歩いているのを見かけますが、見るからにチャラチャラしたニセモノで、チンドン屋みたいで、恥ずかしい。そもそも本物の舞妓さんでも、この衣装を着るのは長い修行のあとで、素人がその日に、その衣装で歩き回るのは無理だと、きっぱりと厳しい。上七軒花街のしきたりを感じるひとときでした。
http://maikotaiken-katufumi.com/
http://www.flickr.com/photos/7294954@N02/5384651986/

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