京の路地から From Kyoto with Love

Why don't you visit Kyoto to meet something new? 京都は私の空気、水のようなもの。新しい京都、古い京都。その中で、日々綴った、現代の枕草子。

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Location: 京都市, 京都府, Japan

悪戯な好奇心の猿一匹、飼っています。Keeping a curious monkey in my mind.

Jun 25, 2010

恋人になったら

 阿部なをさんという料理研究家?のご本に「恋人になったら、まず食からその人間がしのばれ、」という一文があって、目を止めました。(中公文庫「おばあちゃんの台所修行」p.42)お料理をなさる人らしい目のつけどころです。ご年令(1911年生)のせいもあって、「恋人」とか、「人間」とか重い言葉が散見されますが、その「こころ」は平明で、素直に同意できます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E9%83%A8%E3%81%AA%E3%82%92

 その人が普段何を食べているか、ということもそうですが、一緒に食事をするときに、何を食するかということも、大切だと思っています。食事に誘われても、居酒屋のチン料理とか、洋食と言えば「びっくりドンキー」ワンパターンとかではげんなりですよね。値段の高いものがいいわけではないですが、せめて正しい食材と、ちゃんと料理人が作ったものを、くらいのこだわりはもって欲しいところです。

 ついつい俳優をまねた偽ルックスや、着ている物や、女なら化粧のうまさや胸の大きさなど、見た目に心を奪われて、時間を浪費した挙げ句に、結局「アホはいや」という結論に至るのが落ちのようですが、日常の食にたいする姿勢のようなものも、基準のひとつに加えてはいかがでしょうか? 最近は手に入りにくくなった大根の葉を買っている男、なんてとても魅力的だと、私は思うのですがね。

 名前にだまされてはいけないと思います。別に米は「コシヒカリ」でなくてもいいと思います。コシヒカリ使用と銘打っている食堂のご飯も、食べてみるとおいしくないことはしばしばで、銘柄の偽装か、コシヒカリの含量の乏しさに騙されていることもしばしばです。先に紹介した下河原の嘘つき蕎麦屋「京玄庵」も、「魚沼産のコシヒカリ」を使っていると言っていますが、食べてみると吉野家さんが使っている北海道産米と味は変わりませんでした。コシヒカリを使っていると言われるとおいしいと思って食べる、というのが日本人に多い「アホの典型」です。名のない米でも、それをおいしく炊くことに一生懸命になる女は、決してアホではない。そんな細かいことを、ひとつひとつ合わせたところに、その人の本当の魅力があります。

 日頃読んでいるものも、携帯メールと週刊誌やハウツー本などだけでは寒い。また、本屋へ行っても、ベストセラー本にまず目がいくようでは青い。
 最近岩波文庫の「西遊記」を読破して、面白かったので、中国語の原文でも読みました。やっぱり面白い。古典作品は、それを読んでも目先の何の役にも立ちません。しかし、我が国で自殺が例年3万人を超えていることや、リストラされてホームレスになってしまうお父さんのニュースを見るにつけ、人間に冷たい日本の社会と人びとのことを思い知らされます。西遊記に登場する悪役の妖怪たち、(もっとも孫悟空や猪八戒も十分妖怪ですが、)その悪役たちが憎めない。皆家族思いの「人間らしい」心をもっています。中国では、自殺やホームレス化は極めて希で、どんなに困っても家族がそれを放っておかないのだと、中国から来ている留学生の人が言っていました。

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