京大入試・世界史
京都大学、本年の入試から、世界史Bの1
「中国共産党について、その結成から中華人民共和国建国にいたる歴史を、中国国民党との関係を含めて、300字以内で説明せよ。句読点も字数に含めよ。」
教科書程度の出題で、決して難しくはありません。が、京大らしい、いい問題だと思います。受験生の方々には、世界史の大きなうねりは理解できないかも知れませんが、清朝滅亡後の軍閥政権に対して、蒋介石の国民党と毛沢東らの共産党が、日本帝国主義の満州侵略後に、共に侵略者・日本と闘うために1936年に手を結んだのが、第二次国共合作でした。国民党はそれまで対立していた共産党を、壊滅寸前まで追い込んでいたのですが(北伐)、1936年、張学良の起こした西安事件を機に統一戦線を組むことになります。毛沢東はその後徹底的に農村を教化し、共産党組織を拡大して、日中戦争に勝利した後、ソ連の協力を得て、国民党に勝利して1949年、中華人民共和国を樹立して現在に至っています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%85%B1%E5%90%88%E4%BD%9C
この国共合作による帝国主義に対する勝利は、当時世界史的意義をもっていました。帝国主義列国による世界支配に対し、やがてくる植民地支配に苦しむアジア・アフリカ諸国の独立のうねりへの序章であったわけです。支配される民族は、民族が分裂することなく、一丸となって帝国主義と戦うことによってしか、自らの自由と独立を勝ち取れないことを明白に示した事例であったわけです。その後、強大な帝国主義・(自由の国?)アメリカに対する、あの小国ベトナムの勝利は、そのことを強く世界に訴えました。」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%88%E6%94%BB%E5%8B%A2
国共合作と同じころ、ヨーロッパでも同様の歴史的事件がありました。時も同じ1936年に成立したスペインの人民戦線政府に対して、ファシストのドイツ、イタリアが干渉して、ゲルニカの爆撃等の悲惨な経過をたどり、反乱軍のフランコ独裁政権が成立していきます。ノーベル賞作家のE.ヘミングウェイが義勇兵として戦ったことで有名なスペイン内戦です。ピカソはゲルニカ爆撃に激怒して、大作「ゲルニカ」を発表し、ファシストの国へは帰らないと言って、国を出ました。写真家R.キャパの、銃撃されて倒れる人民軍兵士を写した作品は超有名です。この時、同じ年に成立していたフランス人民戦線政府は、スペイン内線への対応について内部分裂し崩壊してしまい、結局スペイン人民戦線政府は孤立して、ファシストに敗れます。当時犯罪的だったのは、この内線に対するイギリスの対応でした。イギリスのチェンバレン内閣は、スペイン内戦への干渉やチェコ侵略など、ナチス・ドイツの侵略政策の一切を容認する宥和政策をとり続け、結局第二次世界大戦へ突入するまで、ドイツの横暴を放置してしまいます。フランスとスペインの人民戦線政府、イギリス、ソ連が手を携えて、ファシスト勢力の増大を抑えていれば、あの大戦は起こらなかったはずでした。社会主義ソ連の成立と、中国も含めて、相次ぐ共産党を含む人民戦線政府の成立は、当時、共産主義世界革命への可能性を強く感じさせるあまり、共産主義勢力の増大を恐れたイギリスと、ファシスト勢力の暗黙の合同であったのでしょう。アジアでは人民戦線が勝利、ヨーロッパでは敗北し、世界大戦へと突入することになった、というのが当時の世界史の流れでした。まさにアジアの時代の到来でした。1917年のロシア革命に始まる、世界革命への流れの中での中国共産党の歴史を問うのが、京大の問題の真意です。
http://wapedia.mobi/ja/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E5%86%85%E6%88%A6?t=3.
http://www.st.rim.or.jp/~success/picasso.html
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&q=%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88+%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%91+%E5%B4%A9%E3%82%8C%E8%90%BD%E3%81%A1%E3%82%8B%E5%85%B5%E5%A3%AB&lr=&oq=%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%91&um=1&ie=UTF-8&ei=hIOYS9DeGYyOkQWnx8yLAQ&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=1&ved=0CBEQsAQwAA
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E5%86%85%E6%88%A6
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E4%BA%BA%E6%B0%91%E6%88%A6%E7%B7%9A
因みに、その時代、1933年2月20日、我が国では、プロレタリア作家の小林多喜二が、素っ裸にされて、3時間にも及ぶ特高の執拗な拷問の末、虐殺されています。共産国中国ではなくて、「自由」主義の国日本での出来事です。
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/kobayasi.htm
「中国共産党について、その結成から中華人民共和国建国にいたる歴史を、中国国民党との関係を含めて、300字以内で説明せよ。句読点も字数に含めよ。」
教科書程度の出題で、決して難しくはありません。が、京大らしい、いい問題だと思います。受験生の方々には、世界史の大きなうねりは理解できないかも知れませんが、清朝滅亡後の軍閥政権に対して、蒋介石の国民党と毛沢東らの共産党が、日本帝国主義の満州侵略後に、共に侵略者・日本と闘うために1936年に手を結んだのが、第二次国共合作でした。国民党はそれまで対立していた共産党を、壊滅寸前まで追い込んでいたのですが(北伐)、1936年、張学良の起こした西安事件を機に統一戦線を組むことになります。毛沢東はその後徹底的に農村を教化し、共産党組織を拡大して、日中戦争に勝利した後、ソ連の協力を得て、国民党に勝利して1949年、中華人民共和国を樹立して現在に至っています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%85%B1%E5%90%88%E4%BD%9C
この国共合作による帝国主義に対する勝利は、当時世界史的意義をもっていました。帝国主義列国による世界支配に対し、やがてくる植民地支配に苦しむアジア・アフリカ諸国の独立のうねりへの序章であったわけです。支配される民族は、民族が分裂することなく、一丸となって帝国主義と戦うことによってしか、自らの自由と独立を勝ち取れないことを明白に示した事例であったわけです。その後、強大な帝国主義・(自由の国?)アメリカに対する、あの小国ベトナムの勝利は、そのことを強く世界に訴えました。」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%88%E6%94%BB%E5%8B%A2
国共合作と同じころ、ヨーロッパでも同様の歴史的事件がありました。時も同じ1936年に成立したスペインの人民戦線政府に対して、ファシストのドイツ、イタリアが干渉して、ゲルニカの爆撃等の悲惨な経過をたどり、反乱軍のフランコ独裁政権が成立していきます。ノーベル賞作家のE.ヘミングウェイが義勇兵として戦ったことで有名なスペイン内戦です。ピカソはゲルニカ爆撃に激怒して、大作「ゲルニカ」を発表し、ファシストの国へは帰らないと言って、国を出ました。写真家R.キャパの、銃撃されて倒れる人民軍兵士を写した作品は超有名です。この時、同じ年に成立していたフランス人民戦線政府は、スペイン内線への対応について内部分裂し崩壊してしまい、結局スペイン人民戦線政府は孤立して、ファシストに敗れます。当時犯罪的だったのは、この内線に対するイギリスの対応でした。イギリスのチェンバレン内閣は、スペイン内戦への干渉やチェコ侵略など、ナチス・ドイツの侵略政策の一切を容認する宥和政策をとり続け、結局第二次世界大戦へ突入するまで、ドイツの横暴を放置してしまいます。フランスとスペインの人民戦線政府、イギリス、ソ連が手を携えて、ファシスト勢力の増大を抑えていれば、あの大戦は起こらなかったはずでした。社会主義ソ連の成立と、中国も含めて、相次ぐ共産党を含む人民戦線政府の成立は、当時、共産主義世界革命への可能性を強く感じさせるあまり、共産主義勢力の増大を恐れたイギリスと、ファシスト勢力の暗黙の合同であったのでしょう。アジアでは人民戦線が勝利、ヨーロッパでは敗北し、世界大戦へと突入することになった、というのが当時の世界史の流れでした。まさにアジアの時代の到来でした。1917年のロシア革命に始まる、世界革命への流れの中での中国共産党の歴史を問うのが、京大の問題の真意です。
http://wapedia.mobi/ja/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E5%86%85%E6%88%A6?t=3.
http://www.st.rim.or.jp/~success/picasso.html
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&q=%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88+%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%91+%E5%B4%A9%E3%82%8C%E8%90%BD%E3%81%A1%E3%82%8B%E5%85%B5%E5%A3%AB&lr=&oq=%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%91&um=1&ie=UTF-8&ei=hIOYS9DeGYyOkQWnx8yLAQ&sa=X&oi=image_result_group&ct=title&resnum=1&ved=0CBEQsAQwAA
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E5%86%85%E6%88%A6
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E4%BA%BA%E6%B0%91%E6%88%A6%E7%B7%9A
因みに、その時代、1933年2月20日、我が国では、プロレタリア作家の小林多喜二が、素っ裸にされて、3時間にも及ぶ特高の執拗な拷問の末、虐殺されています。共産国中国ではなくて、「自由」主義の国日本での出来事です。
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/kobayasi.htm
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