ヤンリーピンのシャングリラ
ヤンリーピン(楊麗萍)がプロデュースして、リードダンサーをつとめる雲南民族歌舞団のシャングリラ(香格里拉)を見ました。すばらしいの一言です。。梅田芸術劇場の舞台があまりに小さく感じる、圧倒的なパフォーマンスでした。ヤンリーピンが直径3メートルもある月を背景に踊る「月光の舞」(月亮)と、中国人で知らぬ人とてないクライマックスの「孔雀の舞」(孔雀舞 )は、真実感涙の舞台です。52歳とは思えないヤンリーピンの、無駄のないプロポーションと、小指の先までクッキリと見える舞踏は、他に類を見ない、まさに中国の国宝的と言われる所以だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=LvhBwwuEGS4
http://japanese.china.org.cn/culture/2008-03/24/content_13437647.htm
http://www.youtube.com/watch?v=ZkLrFpo0lHA
「シャングリラ」ジェームズ・ヒルトンの小説、「失われた地平線」に出てくるヒマラヤ山麓の桃源郷です。中国の雲南省の北部の山岳地帯が、その記述に似ていることから、中国がその地方をシャングリラ(香格里拉)と名付けて、観光開発に利用しています。シャングリラ(香格里拉)は人気のスポットですが、やや不便なので、まだ世界遺産で有名な「九寨溝」ほどは観光ずれしていないようです。
シャングリラの舞台は、楽器や衣装、そしてそれぞれの舞踏が一体となって、荒削りに見えますが、純情で素朴な民族の伝統を雄弁に伝えています。衣装は、彼らの地方で、自分たちが何年もかけて作った手製で、楽器も実際に使われているものです。60台もの太鼓の乱打は、圧倒的。それにヤンリーピンが、日本の講演のために導入した7mもの竹の笛には驚きです。数十人の鮮やかな民族衣装の少女たちの舞「花腰歌舞」では、歌が3拍子、ステップが2拍子で、手が1拍子という、超絶技巧が見物です。
http://www.juqcho.com/earth/reviews/2008/20080320.html
http://blog.canpan.info/yunnan/archive/312、
「 もし、その身体を使って踊らなければ、人生の意味がなくなる。
もし、その口を使って歌わなければ、人生の意味がなくなる。 」
雲南では、いい相手と結婚できる条件は、歌や踊りが上手いことだそうです。それくらい、歌や踊りが、生活の芯になっているのでしょう。お金のことばかり考えなければならない日本やアメリカと比べ、貧しいけれど、明るく、幸せな生活に、羨ましさを禁じられません。本当に貧しいのは、ろくに医療も受けられないアメリカの方かも知れません。(「貧困大国あめりか」岩波新書)
中国・雲南省には、25の少数民族が暮らしています。ヤン・リーピン自身も雲南省大理の少数民族ペー族(白族)の出身。踊りが大好きだった彼女は、州歌劇団に入り、すぐに才能を発揮します。「孔雀の精霊」というソロ・ダンスで、あっという間にその名は中国全土にとどきます。しかし、彼女はバレエなど欧米のダンスの習得は拒否し、あくまで、生まれ故郷に伝わる土俗の舞踏にこだわり続けました。
それは失われゆく雲南省の少数民族の伝統の歌舞を世界に伝えたい、という情熱からでした。このままでは、魂が抜かれて観光目当ての、安っぽい博物館的な保存になってしまう。何とか雲南の原生態(ありのままの姿)を残したい、それをヤン・リーピンは舞台で実現したのです。 我が国の伝統芸能や職人技の衰退をみていると、身につまされる心がけです。
貧しい雲南の少数民族の農村に伝えられる歌と舞踏を、その農民たち自身が演じて、まさに世界が目を瞠る芸術にまで高めた、ヤンリーピンの才能と苦労には頭が下がります。我が国にも、保存される民俗芸能は数多いと思いますが、みみっちい家元制で縛り付けたり、観光用やお祭り用のその場限りのパフォーマンスに堕していたりで、その芸能の「心」を伝える努力がまったく不十分です。
ヤンリーピンは今年52歳と聞きます。それであの激しいパフォーマンスを見せるには、無類のエネルギーが必要です。一度見れば、驚きのあの美しいプロポーション維持するのは、並大抵の努力ではないと感じさせられます。ちょっと痩せたいからといって、やってみるダイエットとはレベルが違うことは歴然です。「孔雀の舞を踊っている限り、」私は太れないのです」と彼女は言っています。ダイエットは難しい課題だと思いますが、不可能な課題ではないのです。オリンピック選手も、プロ・ボクサーもやっています。失敗を続けるのは、本当に美しくなりたいと思っていないからです。
http://t.pia.jp/feature/stage/y_liping/y_liping.html
http://salon.stage007.com/tabisukisuki/archive/577/0
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/08_y_liping/
http://www.youtube.com/watch?v=LvhBwwuEGS4
http://japanese.china.org.cn/culture/2008-03/24/content_13437647.htm
http://www.youtube.com/watch?v=ZkLrFpo0lHA
「シャングリラ」ジェームズ・ヒルトンの小説、「失われた地平線」に出てくるヒマラヤ山麓の桃源郷です。中国の雲南省の北部の山岳地帯が、その記述に似ていることから、中国がその地方をシャングリラ(香格里拉)と名付けて、観光開発に利用しています。シャングリラ(香格里拉)は人気のスポットですが、やや不便なので、まだ世界遺産で有名な「九寨溝」ほどは観光ずれしていないようです。
シャングリラの舞台は、楽器や衣装、そしてそれぞれの舞踏が一体となって、荒削りに見えますが、純情で素朴な民族の伝統を雄弁に伝えています。衣装は、彼らの地方で、自分たちが何年もかけて作った手製で、楽器も実際に使われているものです。60台もの太鼓の乱打は、圧倒的。それにヤンリーピンが、日本の講演のために導入した7mもの竹の笛には驚きです。数十人の鮮やかな民族衣装の少女たちの舞「花腰歌舞」では、歌が3拍子、ステップが2拍子で、手が1拍子という、超絶技巧が見物です。
http://www.juqcho.com/earth/reviews/2008/20080320.html
http://blog.canpan.info/yunnan/archive/312、
「 もし、その身体を使って踊らなければ、人生の意味がなくなる。
もし、その口を使って歌わなければ、人生の意味がなくなる。 」
雲南では、いい相手と結婚できる条件は、歌や踊りが上手いことだそうです。それくらい、歌や踊りが、生活の芯になっているのでしょう。お金のことばかり考えなければならない日本やアメリカと比べ、貧しいけれど、明るく、幸せな生活に、羨ましさを禁じられません。本当に貧しいのは、ろくに医療も受けられないアメリカの方かも知れません。(「貧困大国あめりか」岩波新書)
中国・雲南省には、25の少数民族が暮らしています。ヤン・リーピン自身も雲南省大理の少数民族ペー族(白族)の出身。踊りが大好きだった彼女は、州歌劇団に入り、すぐに才能を発揮します。「孔雀の精霊」というソロ・ダンスで、あっという間にその名は中国全土にとどきます。しかし、彼女はバレエなど欧米のダンスの習得は拒否し、あくまで、生まれ故郷に伝わる土俗の舞踏にこだわり続けました。
それは失われゆく雲南省の少数民族の伝統の歌舞を世界に伝えたい、という情熱からでした。このままでは、魂が抜かれて観光目当ての、安っぽい博物館的な保存になってしまう。何とか雲南の原生態(ありのままの姿)を残したい、それをヤン・リーピンは舞台で実現したのです。 我が国の伝統芸能や職人技の衰退をみていると、身につまされる心がけです。
貧しい雲南の少数民族の農村に伝えられる歌と舞踏を、その農民たち自身が演じて、まさに世界が目を瞠る芸術にまで高めた、ヤンリーピンの才能と苦労には頭が下がります。我が国にも、保存される民俗芸能は数多いと思いますが、みみっちい家元制で縛り付けたり、観光用やお祭り用のその場限りのパフォーマンスに堕していたりで、その芸能の「心」を伝える努力がまったく不十分です。
ヤンリーピンは今年52歳と聞きます。それであの激しいパフォーマンスを見せるには、無類のエネルギーが必要です。一度見れば、驚きのあの美しいプロポーション維持するのは、並大抵の努力ではないと感じさせられます。ちょっと痩せたいからといって、やってみるダイエットとはレベルが違うことは歴然です。「孔雀の舞を踊っている限り、」私は太れないのです」と彼女は言っています。ダイエットは難しい課題だと思いますが、不可能な課題ではないのです。オリンピック選手も、プロ・ボクサーもやっています。失敗を続けるのは、本当に美しくなりたいと思っていないからです。
http://t.pia.jp/feature/stage/y_liping/y_liping.html
http://salon.stage007.com/tabisukisuki/archive/577/0
http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/08_y_liping/
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