京の路地から From Kyoto with Love

Why don't you visit Kyoto to meet something new? 京都は私の空気、水のようなもの。新しい京都、古い京都。その中で、日々綴った、現代の枕草子。

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Location: 京都市, 京都府, Japan

悪戯な好奇心の猿一匹、飼っています。Keeping a curious monkey in my mind.

Feb 28, 2007

春の雪 Snow of spring


 One morning in early spring, a snowstorm brushed through our town, scratchig my heart like a faint love। (Click on the title to enjoy real time view of Kinkaku on the web camera।)
 早春、目覚めると、心を乱す一面の雪・・。こんなひととき、懐かしい人に一筆、文をしたためてみようかと机に向かい、思い返して、独り微笑み、何事もなく常に戻る恥ずかしさ。窓に白く迫る東山は動かない。白川の水は指を刺し、吹く風は身を切るけれど、大地は春の勢いを失わず、昨日ほころんだ白梅は凛として、たじろがない。時は私の一瞬のためらいなど無視して、圧倒的な静かさで、一切を連れ去ってゆきます。一炊の夢のように、掌の上を儚く溶け去ってゆく、どこか仄暖かい白い塊と、誰にも遮ることのできない、ひとときの淡い想い。
(http://gmpafos.homestead.com/pafostop.html)

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Feb 23, 2007

京料理 What to eat in Kyoto


Tasted nice Japanese radish (see photo) at Kamigamo shrine on the new year's day for 500 yen.
京都の料理は本当においしい。それは京の料理人の腕前にもよるものですが、少なからずは京の水のおいしさと、野菜のおいしさによるものと信じています。なるほど京の料理人は職人と言える技量をもつ人も多く、東京あたりでも、京都で修行したといえば、一流のようです。残念なことには、せっかくのお料理の、その価格が高いことで、あるときやんごとない御仁の記念日に一席設けようとさる老舗料亭に問い合わせたところ、お一人様3万円のご予算では、でけしまへん、とそっけないお返事でした。かと言って、観光客目当ての3000円見当の京(?)会席のようなものは、京料理とは名ばかりで興ざめです。
 この新年に上賀茂へ初詣に出かけた折に、境内で大根炊きをいただきました。昆布の出汁で湯気の中、焚きあがった大根は本当においしかった。出汁の味と素材の大根の味、それだけの勝負で、種も仕掛けもありません。500円。京都の観光案内は数知れず、また京のおいしいものを、京の達人ぶったお方が紹介した書物も数知れず。京都物は金になると思えば、続編なぞ編んだりして、無難なお店を紹介しているのはまず興ざめです。

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Feb 21, 2007

祇園の狸 Women of Kyoto


A lady owner of an old Gion cafe tells how to enjoy coffee.
昔ながらのなりわいと、現今の観光の交差する祇園町のとある一角に、古い喫茶店があります。創業以来コーヒーの値段が変わっていないそうです。数年前、ある旦那が2人の芸妓・舞妓を伴ってお茶を飲んで、会計をする際、「安いなあ」と言って、1万円札で支払い、お釣りをもらって店を出た後のこと。店のママの言うには、「あのお方は祇園の遊び方を知りはらへん。安いなあと思わはったら、釣りはいらんさかい、またこの妓らが来たときに、お茶ごちそうしたって、と言うのが男はんのやりようどす。」と、吐き捨てていました。
 別のある日、すこし新しい祇園の他のカフェでその話をしました。すると、そのカフェのマダムが言うには、「あの店のコーヒーはインスタントやで。裏で作ったはったわ・・。」それを聞いて、一瞬凍りました。
 恐ろしや、京に生きる女の強さと自負。はたまた祇園の古狸。

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