京の路地から From Kyoto with Love

Why don't you visit Kyoto to meet something new? 京都は私の空気、水のようなもの。新しい京都、古い京都。その中で、日々綴った、現代の枕草子。

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Location: 京都市, 京都府, Japan

悪戯な好奇心の猿一匹、飼っています。Keeping a curious monkey in my mind.

Aug 28, 2009

オムライスとハヤシ

 有名店です。
 グリル「小宝」(075-771-5893「こだから」と読みます。「子宝」ではありません)という洋食屋さんで、平安神宮の東側の石垣沿いに北へ上がった右手にあります。市バス5番と32番で「動物園前」下車します。

 オムライスとハヤシ・ライスがおいしい。他のメニューもおいしいのだと思いますが、今日はこの2点に絞ります。お店は1961年の創業ですから、あまり古くはありません。自家製のデミグラ(ドミグラス?)・ソースがご自慢です。オムライスのトッピングもケチャップではなくて、このソースです。チキンライスはタマネギと自家製?の牛ミンチの味で、甘くも辛くもありません。ケチャップの甘ったるい味をお好みの方には向かない、大人のオムライスです。難点は量が多いので、小食の私には少々キツい。¥900です。ハヤシ・ライスはご飯が見えないくらいのハッシュドビーフで¥1150。やはり、このお店では、まずこれを注文するのが礼儀かも知れません。
 そのハヤシライスですが、始めていただいた時の感想は、「おいしいハヤシライス」ではなくて、「こんなに美味しいもの、食べたことない」という感激でした。若い頃、食堂でお試し気分でハヤシをたのんだときは、一口食べて後悔して、もう二度と注文することはありませんでした。定石通り、タマネギタップリです。何とも形容できないのは、そのデミグラ・ソースの味です。このソースだけは、店の主が、時間をかけて手作りするそうですから、お好きでなくても、一度は経験してみてほしいものです。京都の食は基本スロー・フードです。「誰」が作った「何」という固有名詞の食です。古い材料は使わず、お店もトイレまで掃除が行き届いてきれいです。
http://gourmet.yahoo.co.jp/0006712127/P011092/

 洋食屋さんですから、他にもメニューは充実しています。デミグラ・ソースのお好きな方にはハンバーグ・ステーキはお勧めです。¥1700。得体が知れないのが、エビ・ジクセルと、ビーフ・ジクセルというメニューです。洋食ファンの方なら、常識なのかも知れません。シャトーブリアンもあります。¥4500。サンドイッチも8種類ありますが、珍しいのはカニ・サンドというメニューです。¥2450.

 定休日や営業時間等はネットでどうぞ。私自身は、食堂のオムライスとか、ハヤシライスとかしか知らなかったので、始めて行ったときには、カルチャー・ショックでした。ケチャップが出しゃばらず、ハヤシが甘ったるくないのに、感服しました。業務用の缶詰でなく、手作業で作るデミグラ・ソースには、「美味しい」という通りいっぺんの感想ではなくて、深い感謝の念が湧き起こります。町のの食堂とか居酒屋では、セントラル・キッチンとか、冷凍食品とかで、店員がただ盛り合わせただけの食品を、当たり前のように食べさせられるのですが、彼女を連れて行くなら、子供に食べさせるなら、ちゃんとした料理人が作った、そう高くもない900円のオムライスをお試しになってはいかがでしょうか? 平安神宮の近くですから、お昼に立ち寄れるロケーションです。オムライス、ハヤシ・ライスに、改めて目覚める体験になるかもね。

 仕事に疲れて、オムライスを食べる産科医、なんて絵にもなりませんが、ヒト、仕事、人生、を考えるヒントがあります。「本物に惚れる」ということです。900円を払って、これを食べて、決して後悔しないという選択。そんな積み重ねが、ヒトを作っていきます。有名だからとか、綺麗だからとか、有名人がやっているお店だから、とか、そんな負け組人生を歩む最短距離的選択とは、できるだけ早くおさらばした方がいいと思います。

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Aug 25, 2009

海外旅行、JTBは何もしてくれない

 マレーシアから勉強に来ている女医さんが言うには、彼女は中国も中国人も嫌いだと。何でも香港でガイドに強く勧められて、一見ちゃんとしたお店で、骨董やバッグなど高価な買い物をしたそうですが、後で、すべて偽物とわかったのだそうです。

 私は香港でお店に並んでいるものは、ブランド品とはいえ、すべて偽物と思っています。それに、ガイドが勧めるのは、リベートをもらうためで、強 く勧めるほど怪しいと思わなければいけません。私は、もともとそう思っていますから、ガイドに偽物を売る店に案内を請います。中国の偽物ブランドは、それ なりに等級があって、よくできたものは、価格も高くなりますが、プロでも見分けが困難です。というわけですから、できるだけよくできた偽物を売る店を紹介 してもらいます。そして、気に入ったものを買う段では、言い値の1/3以上は決して払いません。いい加減焦らせて、「もういらないから帰る」と突っぱねる と、必ず値引きに応じてきます。一体どれだけもうけているのやら。で、こんな商売をしていて、警察は怖くないのか、と尋ねたことがあります。すると、警察 には金をつかませているから、大丈夫、と言っていました。警察も、業者も、勧めるガイドも、みんなグルになって、特に日本の観光客を狙っていますから、ご 用心ご用心。

 ところで、ここからが面白いところです。上海などで、男一人で歩いていると、よく若いお姐さんの二人組が話しかけてきます。「お話しません か?」 とか、「一緒に散歩しませんか?」 とか誘ってきます。で、寂しい男がはまっていきます。まず、宝石店や服飾店などに連れて行かれて、プレゼント を買わせようとします。そして、レストランやカラオケに誘われます。レストランもカラオケ店もグルですから、とんでもない高額の請求をしてきます。現金が ないと言えば、カードでの支払いを要求されます。大抵の人は怖いので、言われるままに支払って、お姐さんはやらずぼったくり、というのが筋書きです。ネッ トにも被害の書き込みが結構あります。
 これを、現地のJTBに持ち込んで相談すると、まったく取り合ってくれません。結局、泣き寝入りやむを得ず、という結論を押しつけられます。JTBは、本当何もしてれませんよ。

 では、ぼったくりにあった時、どうすればいいでしょうか? まず、お店で支払いをするときには、必ず領収証をもらっておくことです。明細があれ ばさらにいい。そして、お店の名前と場所のわかる名刺か、カードをもらっておきます。カードなどをくれと言うと、大抵は拒否されますが、この店が気に入っ て、今度は友だちを大勢連れてくるから、とか何とか騙して(狐と狸)、とにかくもらうこと。
 次に、現地の知り合いがいればその彼(女)を呼びます。いなければ、現地人のツアー・ガイドに事情を説明して協力を仰ぐか、もっと刺激的なの は、街で小綺麗なお姐さんをピックアップして、話しかけて友だちになります。事情を説明して、同情を煽って(泣いて見せたりするとインパクトが大きいか も)、そして一緒に管轄の警察に出向いて、現地人の通訳で被害を訴えます。そのとき、領収証やお店のカードが証拠になります。自分が飲食したものと、請求 された金額があまりにかけはなれていることを、強く訴えます。すると警察は店の主を呼びつけます。店の主以外に、日本語のできる交渉係みたいな奴がついて きますから、奴らに二の句も告げないくらい、徹底的に!責めまくります。警察の手前、彼らはしぶしぶ返金に応じます。で、返金が偽札でないだろうな、とす ごんでおいてから、店の主と握手して物語りは終わります。

 おっと、お姐さんをナンパして助けてもたった場合ですが、あとはお姐さんをどうするかは、あなたのお手並み次第です。気をつけないといけないのは、妙に仲良くなると、お姐さんが、成功報酬を要求してくる場合があることです。

 ぼったくりの話は私の経験談です。小気味がいいので2回警察のお世話になりました。私の場合、通訳はツアーのガイドさんに、事情を説明して頼み ました。騙したやつらを警察でこきおろすのはとても気持ちいい。で、私はそんな狡い中国人と中国とが大好きです。今年もまたお姐さんにひっかかって、悪い 奴を懲らしめてやろうかと、企んでいます。というのは冗談です。中国マフィアは今や世界一の暗黒組織です。無用にかかわらないのが一番ですよ。

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Aug 24, 2009

夢の中へ

 1977年の9月10日に井上陽水が大麻使用で逮捕され、懲役8ヵ月、執行猶予2年の判決を受けたことがありました。当時の陽水のヒット曲「夢の中へ」の歌詞が微妙です。

 探し物は何ですか。
 見つけにくいものですか。
 鞄の中も、机の中も探したけれど見つからないのに。
 まだまだ探す気ですか。
 それより僕と踊りませんか。
 夢の中へ、夢の中へ行ってみたいと思いませんか。

 捜索を受けて、尚、「夢の中へ」と誘う陽水が素晴らしい。のりピーと覚醒剤のとちらが悪いか、と職場で話題になりました。結論は覚醒剤の方が悪い。のりピーは悪くない、ということに落ち着きました。

 八方塞がりの現実から逃避して、自分だけの「夢の中」で暮らせたら、どんなに幸せでしょうか。一度ならず、誰もが、自分なりの理想を思い描いて、ため息をついたことがあると思います。

 繰り返される「振り込め詐欺」の被害も、同じ根を持っているように思えてなりません。「ウソかも知れない」「ウソに違いない」と判断する自分よ りも、もっと大きな自分が、心を曇らせます。「いい母親になりたい」「自分の力で、息子を救いたい」心の中は、息子への「愛」と「息子を守るやさしい自 分」の物語しかなくなっています。「夢の中」では、自分が主人公です。そして自分の思い描いた物語を生きることができるのです。誰でも、よくないとわかっ ても、そうしたい気持ちに負けることは、よくよくあることです。「あるべき」自分と。「ありたい」自分は、時に拮抗します。

 ひとときのお姫様気分を充たすために、徒な恋に身をやつすことも、生きていく上では、必要なステップなのかもしれません。幸せになれないことは わかっているのに、抑えきれない衝動に身を任せてしまう愚を、どれだけ繰り返せば、大人になれるのでしょうか。心の中に「夢」が芽生えたときに、その夢に ふさわしい自分になるプログラムを、同時に思い描く人が、やがて「夢」を実現します。「夢」を現実に変えることができるのは、誰でもない、自分だけです。 「夢」が「夢」で終わるなら、「現実」は「ありたい」自分には届くことはありません。「ありうる」自分に妥協を重ねて、粛々と生きてゆくだけです。

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Aug 23, 2009

京菓子

 今日はお菓子の話題。
 京菓子と言えば、まず思い当たるのが、「八つ橋」とか、「おたべ」、とか、出町ふたばの「豆大福」? だと思います。お土産の定番ですね。でも、ちょっと冒険?して、京菓子の深みへはまってみませんか?

 まず、その名もおどろおどろしい「清浄歓喜団」というお菓子。何それ? というか、それホントにお菓子の名前? とか、でも知っている人は、 ちゃんと知っている、由緒正しい和?菓子です。その昔、遣唐使が伝えた大陸のお菓子というから、気が遠くなります。それを営々と作り続けて、尚、それを買 う人もいる、ということですから、京都ってすごい。
 このお菓子は、かつて昭和17年12月に京都府が「和生菓子特殊銘柄品」18品目を指定しました。 これは、第二次大戦のさなか、物資が無くなり和菓子屋の仕事ができなくなる中で、 京の伝統菓子をこれだけはちゃんと残そう、という趣旨で指定された品目で、 その中にこのお菓子が含まれていたそうです。
 なんとなく線香臭い感じで、浄土宗などのお寺のお供えに作られてきたようですが、 「歓喜団」という名前から、どうも西域〜インドあたりの宗 教教団に起源があるような気がします。胡麻油で揚げてあるようで、結構日持ちします。味はというと、こればかりは、一度是非お試しを、としか言いようがあ りません。ひょっとしたら、子供の頃、お供えに買ってあったものを食べた記憶のあるかたもあるかも知れません。
 元来はお寺で作っていたものと思いますが、現在では亀屋清永(亀屋清永・東山区祇園石段下南 075-561-2181)というお菓子屋さんが作っていますが、京都高島屋の地下で通年、お買い求めになれます。
http://www.geocities.jp/kyo_gasi/seijouk/seijouk.html


 次に與市兵衛(075-561-2089)の「おにぎり菓子」。お店は四条花見小路を東へ行った左手にあります。このお菓子の由来もすごいです。
 「與市兵衛とは萱野三平の義父で、 三平の旅費調達の為に娘のおかるを祇園一力茶屋に身売りしました。 50両を手に摂津の故里に向かう途中、横山峠で亡くなってしまった。 その時に娘のおかるが作った心づくしのにぎり弁当が残ってしまったのが心に残り、 一力茶屋のほとりで道明寺製のおにぎり菓子を売り出した。」 のだそうです。これはこのお店でしか手に入りません。京都人も知らない!京の名物です。因みに、その「おかる」の名の食堂はもうご紹介済みです。
http://www.geocities.jp/kyo_gasi/higasi_tume/higasi_tume.html
http://shampoo-milk.blog.ocn.ne.jp/kenken/2006/02/post_9ba2.html

 お次は水田玉雲堂(075-441-2605)の「唐板」です。これも奈良時代に、吉備真備(きびのまきび)が唐から持ち帰ったものが起源だそ うで、その後、貞観5年(865)清和天皇が、神泉苑で悪霊疫病退散の御霊絵(ごりょうえ)を行なった時(これが、祇園祭の起源)、 疫病よけとして「唐板(からいた)」が配られたのだそうです。 しばらく途切れていたものを水田玉雲堂のご主人が、古文書から復活されたのが現在の姿です。
 お店は上御霊神社の門前にあります。地下鉄の鞍馬口駅からすぐです。目の前に、「応仁の乱勃発の地」と書いた碑があったりして、まず、京情緒 満点です。サクッとした食感が秀逸で、まあ、和風のクッキーという風情で、くせになる味だと思います。お店は日祝日がお休みなので、ご用心。
http://gyokuundo.com/yurai.htm

 次いでは、私の好物ですが、ぎぼしの「吹よせ」。
 その名前から、大体どんなものか想像がつく、と思います。それと、似たようなお菓子を、子供のころなどに食べたことのある人も多いと思います。 ぎぼしは明治初年創業の昆布専門店で、「吹よせ」は、あられ、海老せんべい、昆布、豆等20種類以上を混ぜ合せたものです。一缶買っておくと、お茶の時間 に便利ですよ。お店は柳馬場通四条上る左手にあって(075-221-2824)、錦市場に近いですから、ぶらぶらのついでに寄ってみてはいかがでしょう か? ついでに、このお店のとろろ昆布、半端でないおいしさですよ。こちらも日祝日がお休みです。
http://www.kyoto-shijo.or.jp/giboshi/frame.htm

 京のお菓子は、お豆腐やお漬け物と同様に、街々の身近にあって、手作りで自家製です。ご近所のお茶のお伴やお寺のお供えに作っています。だか ら、基本、量産されないので、その日の分を売り切ったらおしまいです。どこに行っても、デパートでも、コンビニでも手に入る、そういうものではないこと を、まず知らねばなりません。お土産を情報雑誌で、お手軽に探す、のもいいですが、本当に京都らしいものを、見つけるのも、京の旅の醍醐味だと思います が、いかがでしょうか?

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京グルメ、この三軒

 京都での食事で忘れてならない三軒です。同じように三軒を選んでも、選ぶ人によって、お店は異なると思います。これは私の独断で選んだ、お勧めの三軒です。

 ①北から順番にご紹介します。まず、地下鉄烏丸線の鞍馬口駅に近い、「畑かく」(075-441-0610)の牡丹鍋です。牡丹鍋という名称は このお店が元祖です。猪鍋と言っても、通常は養殖の猪豚(いのぶた)肉が出てくるのですが、このお店では正真正銘の猪肉を食べられます。お料理だけで1万 円程度ですから、そう高くはありません。季節料理ですから、3月半ばくらいまでなのでご注意を。
 ついでながら、畑かくのご近所に上御霊神社という古い神社があって、境内に応仁の乱勃発の地の碑があります。神社の前には「水田玉雲 堂」(075-441-2605)という小さな和菓子屋さんがあって、500年以上前から「唐板」というお煎餅を作っておられます。このお煎餅はそもそも 平安朝、清和天皇の時代に起源をもつもので、上御霊神社の茶屋であったお店の祖が復興したものです。パリッと超あっさりで、お茶のお供にぴったり、美味し いですよ。
http://www.digistyle-kyoto.com/restaurant/restaurant_j/54_j.htm
http://gyokuundo.com/
http://gyokuundo.com/yurai.htm

 ②次は、河原町通姉小路(あねやこうじ)を西に入ったところにある「本家鳥初」(075-231-6021)の鴨鍋です。鴨料理も、大抵のお店 では鴨と言っても合鴨(アヒル)を食べさせるのですが、この本家鳥初では本当の真鴨が出されます。お料理だけでお一人5800円です。鍋に入れる具のう ち、骨髄団子(貧血に効きそう)がコリっとした歯ごたえとともに、忘れられない味です。また、大量のカツオ節を使ったお出汁がとてもおいしいのも特筆もの で、いつもお猪口に注いではいただくのが楽しみの一つです。必ず「本家鳥初」でお調べ下さい。単に「鳥初」だと別のお店があります。鴨鍋も冬期限定です。
http://r.gnavi.co.jp/k032400/

 ③最期に河豚料理ですが、これは四条大和大路を上がった右手にある「富久(とみきゅう)」(075−561−0984)をお勧めします。京都の ふぐ調理師(京都ではふぐ処理師といいます)免許第一号をもつのがこのお店で、冬期は河豚ですが、夏期には鱧(はも)料理を出しておられます。河豚も鱧も おいしいです。お料理だけで15000〜20000円程度ですが、もう少しお安いコースもあるようです。このお店でもうひとつお勧めは、自家製のポン酢の おいしさです。ポン酢はお買い求めいただけるようですから、是非ご利用されてはいかがでしょうか。このお店に関しては、ご利用される際、ご紹介いたします ので、ご一報下さい。ほんの少し、サービスがよくなる?かも知れません。
http://www.gion-nawate.com/tomikyu/

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Aug 21, 2009

インドの食堂

 元東京大学教授で、南アジア史研究者の辛島昇氏がインドのマドラス大学に留学していた頃、大学の食堂は、座席が真ん中で区切られていて、片方は菜食の ヴェジテリアン(辛島昇氏の用語に従います)席、もう片方は肉食をするノン・ヴェジテリアン席になっていたそうです。また大学外では、その当時、ヴェジテ リアンとノン・ヴェジテリアンの食堂ははっきりと分かれていたそうです。そして、そのノン・ヴェジテリアンの食堂は、ブラーミン(バラモン)・レストラン と呼ばれているそうです。何も席を分けたり、食堂によって両者を区別しないでも、注文に応じて、それぞれ料理を出せばいいのに、とは、インドを知らない人 の意見になります。それに何故町の食堂にインドの厳しいカストの階級の名前が冠せられるのか、謎は深まるばかりです。

 ヴェジテリアンというのは、単に健康上の理由での菜食ではありません。日本人の、形だけを模倣した菜食主義とは全く意味が違うことを、知らなく ては、インドを理解できません。ヒンドゥーというのは、キリスト教や他の宗教と違って、ある教典に基づく信仰ではなく、彼らの生活全般を支配する根本思想 です。ヒンドゥー教では、<血、屍体、殺生>などに対する「穢れ」の意識が強くて、動物を殺生することや、それを料理した人、それを食べる人までを穢れた ものと考える人々がいます。食堂で、ヴェジテリアンの席を分けるのは、ノン・ヴェジテリアンが穢れた存在だという一方の考え方からきています。隣に座るこ と自体を忌避しているのです。メニューの違いという便宜的な分け方とか思ったりするのは、浅はかの至りです。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/ej2/78456/m0u/VEG/

 そして、食堂までが区別されて、ブラーミン(バラモン)・レストランという名が存在するのは、ある階級の人にとっては、食事を調理した人が、穢 れた存在でないことが必要です。穢れた人の作った料理を食すると、自分もまた穢れてしまうと考えるからです。穢れていないのは、厳密なヴェジテリアンを自 称するブラーミン(バラモン)階級の、しかも男性でなくてはなりません。女性は月経による血の穢れをもっている、と考えられているからです。

 この「血の穢れ」という思想は海を渡って、日本の「部落差別」につながっています。動物を屠殺したり、皮を剥いだり、犯罪者の処刑に手を汚した り、また、月経や分娩による血の穢れを避けられない女性など、インドでUntouchable(不可触賤民)と称されるカストに通ずる差別を、今でも残し ているのが日本の社会です。この穢れの思想は、多分仏教の「不殺生」の思想とともに日本に渡来したものと思われますが、インドと日本の間の中国では、仏教 はメジャーにならなかったため、差別社会にはならなかったようです。

 私はヴェジタリアンなの、と気軽に発言するのは、友だち仲間の間だけにしておきたいものです。場所が変われば、「肉を食うお前らは汚い人間 じゃ、」と言わんばかりに受け取られます。また仏教の「不殺生」もありがたい教えのようですが、これによって、牛馬を屠殺して生計をたてる人々を穢れたも のとして、長い間差別の地獄に落としてきたのだと思うと、宗教は罪深いと結論せざるをえません。部落の人たちは一般ののお寺に参拝を許されず、彼らの寺は 穢多(えた)寺と呼ばれていましたが、その「穢多寺」ですらが、部落の人たちを人間扱いしてこなかったのです。

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Aug 13, 2009

犬も歩けば

 スタバで。新京極のスタバはトイレがひとつしかなくて、大抵待たされます。昨日も待っていると、どうも中から話し声が聞こえます。店内の声を聞き間違え ているのか、中で独り言でも言っているのか、と少しく訝っていました。用を済ませてご婦人が出てきたので、入ろうとすると、何と、もう一人女性が出てきま した。最近の女性は二人で一緒にトイレに入るのでしょうか? 素朴に疑問。

 タクシーからインド人風のエトランゼが3人で降りてきました。インド人はドアを手で締めました。インドのタクシーは自動ドアになっていないので しょう。中国でも自動ではなかったような。そして、3人のインド人は、黙って近くのインド料理店へ入って行きました。京都にいるのなら、日本のお料理を食 べに行けばいいのに、とは余計なお世話ですね。粛々と面白い光景でした。おっと、居酒屋を含めその辺の妖しい日本料理店へ行けば、中国の冷凍食品を食べさ せられること、インドの人たちは知っているのかも知れませんね。それなら、日本人よりずっと賢いことになります。

 三条通りにあるマックで。因みに関西では「マクド」と「ク」にアクセントを置いて発音します。一人の男性が入ってきて、「喫煙席ないの?」、す ると若い女性の店員が、「はい、全席禁煙です。」と応対して、さらに「それに三条通は禁煙ですから」と、とどめを刺しました。煙草を吸いたかったお客さん にはお気の毒ですが、淡々と三条通が禁煙だと告げる店員もなんだか生真面目でおかしい。京都ってすごい、と思いました。

 昨夜、夜の8時過ぎにバスを待っていると、バス停の前を、空のMKタクシーが、何と16台も続けて通り過ぎました。同じ会社の空車がそれだけ続 くのは、あまり見かけないことで不思議でした。車庫へ帰るにしてはバス停を見ながら客待ち顔の運転だし、ひょっとしたら、修学旅行の高校生を降ろした帰り だったのかなと考えたりしました。MKは修学旅行と結構契約しているみたいだからね。

 祇園のお好み焼き屋さん(お好み焼「かな」075−561-4529 )で、友人といろいろと注文して食べていると、カウンター内のお兄さんが、「すいませんが、お待たせするかもしれません。」と言います。別に急いでいるわ けでもなかったので、「いいですよ、ゆっくりで。」と応えると、「ものすごいスピードで食べておられるから。追いつかなくて」と言われました。確かにお腹 も空いていたのですが、そんなに速く食べているつもりはなかったのですが。カウンターのお店で、そんな風に言われたのは始めてだったので、ちょっと感動し ました。お兄さんの真面目な姿勢に。
http://kahoku.blog5.fc2.com/blog-entry-285.html

 別に珍しくない話かも知れませんが、四条通りにある「さくら水産」(075-254-2140)という居酒屋さんが、お昼の定食を出していま す。メニューはメインの2種類を選ぶのですが、面白いのは、生卵と、ご飯と、味噌汁と、味付けのりが食べ放題です。私は小食なので、玉子は一個でいいし、 ご飯もお代わりはしませんが、お腹を空かせた方には、夢のような?ランチかもしれません。500円です。
http://www.teraken.co.jp/store/2006/09/post_130.html

 梅田のソフトバンクで、いかさまじゃんけんで、マックのコーヒーのただ券をくれました。10枚くらいもらったので、しばらくマックに縛り付けら れることになりました。マックは商売上手い。で、ここからがせこい話です。四条通りのアイギフトという切符屋さんで、マック・カードを買うと475円で す。額面500円ですから25円お得。アイギフトが一番お安いようです。このカードをもって、マックに行き、100円マックを注文して、例のコーヒーのた だ券を使って、マック・カードで精算したら400円おつりがきます。ハンバーガーとコーヒーで75円、というせこいお話しです。はは。
 
 過日財布を紛失したことがありました。スラックスのお尻のポケットに入れてあったのに、家に着いたらありません。それからが大変。クレジット カードや、銀行のキャッシュカードが一緒だったので、直ちに理由を言って取引を中止します。現金はともかく、カード類を無くすのは痛い。それが2〜3日後 に、京都の大丸百貨店から電話があって、財布を預かっているとのこと。驚きました。拾われたら、現金を抜かれて、カードを悪用されるものとばっかり思って いたので、狐につままれたよう。受け取りに行くと、トイレでお掃除の係の人が見つけてくれたとのこと。落としたときのそのままで返って来ました。お礼をし たいと申し出たのですが、お掃除の係とは言え、従業員ですから、お礼を受け取ることはできない、とのことでした。それにしても、大丸ってすごい、と思いま した。高島屋だったら、返って来なかったのでは、と思ったのですが、いかがでしょうか。

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