京の路地から From Kyoto with Love

Why don't you visit Kyoto to meet something new? 京都は私の空気、水のようなもの。新しい京都、古い京都。その中で、日々綴った、現代の枕草子。

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Location: 京都市, 京都府, Japan

悪戯な好奇心の猿一匹、飼っています。Keeping a curious monkey in my mind.

Mar 29, 2011

「ここっぴーの★へそっぴー」というブログ

この娘(藤波心)のブログは、テレビに出てくる政治家や東大の教授よりも正しいと思う。

テレビでは、やたらと「安全性」ばかり強調しています。
「風評被害」に惑わされないで、
「冷静」に対応してと・・・。
汚染された野菜を食べ続けても安心です・・・。
汚染された水を飲み続けても安心です・・・。
個別の数値は低くても、
ただちに健康を害することはない? 量だったとしても、
微量とはいえ空気中の放射性物質を吸い続け、
微量とはいえ、汚染された野菜を食べ続け、
微量とはいえ、汚染された水を採り続ければ・・・
微量+微量+微量 
イコール→ はてなマークはてなマーク
http://ameblo।jp/cocoro2008/page-2.html#main


東電に金を貰ってる教授連は信用できません。当然ですよね。

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Mar 28, 2011

「つまらぬ男と結婚するより一流の男の妾におなり」

という表題の本を読みました。別に妾で生きた人の本ではなくて、俳優座から新劇へ移り、女優として生きた樋田慶子(林与一は従弟)という女の半生の記でした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%8B%E7%94%B0%E6%85%B6%E5%AD%90

彼女を産んだ母は出産の直後に世を去り、慶子は祖母の手で育てられます。その祖母は新橋の料亭「田中家」の女将で、伊藤博文のお妾でした。伊藤博文のお妾ならば、当然その辺の幸せにしうがみつくよりは恵まれた生涯を送ることができるのは明白です。そして、慶子もあわや(元総理の)岸信介の妾にされるところ、お座敷の柱によじ登って逃げて身を守ります。本の表題は、祖母の生き方でした。彼女はそれに抵抗して芸の道に入ります。しかし、彼女の意志に反してやはり祖母が伊藤博文のお妾という人脈に守られて、芸能界を生き抜くことができました。本書に登場する人脈は、日本の芸能界を代表する大物ばかりです。
 
 文庫本でも300頁を超える大作で、読み切るには根気がいります。そこで、私が面白いと思った部分を、以下に抜き書きでご紹介します。この本のエッセンスといえるエピソードで、ここだけでもこの本を読んだ値打ちがあると信じています。

「女は風呂に入りたがった。
 人一倍きれい好きの女は、湯上がりに小ざっぱりとした浴衣に着替えて男に甘えたかった。
「帰したくない」
 ただその一念であった。男には家庭があった。男は仕事柄、いままでにもたくさんの恋をしたが、こんなに女にのめりこんだことは初めてであった。しかし家庭を捨てるまでの踏ん切りはつかない。男は家にいると、
「美津子はどうしているだろう?」
 と女のことを考え、女の家にいると。
「勝子はどうしているだろう?」
 と妻のことを考えた。それはあながち男の身勝手さばかりでなく、時局が戦時中という切羽詰まった時期だったせいもあったのであろう。当時、B29という飛行機が頻繁に東京の上空を脅かし、現に焼夷弾もあちこちに投下され、空襲警報の不穏なサイレンの響きは、いつ鳴り始めるかわからぬような状態であった。
「ねえ、お風呂入りたいのォ」
 女はなおも大きな身体を折るようにして男にねだった。
「入りたいったって燃す物がねえじゃねえか」
「じゃ、どこかの炭屋さんへ行って薪を分けてもらいましょうよ」
 二人は連れだって外へ出た。初春の夕暮れはもうそこまで迫っていた。二人はどのくらいあちこちを歩いたのであろう。やっと一軒の炭屋の赤い旗を見つけた。燃料不足の折柄、炭はおろか、練炭、豆炭などもなく、それでも表に薪が束にして積んであった。二人はホッと顔を見合わせた。
「すみません。薪を分けてもらいてえんだが」
 男が声を掛けると、店の中から国防色に身をかためた主人らしき男が出て来た。明暗交代時の表の薄明かりに透かすようにして、主人は二人の客の顔をジロジロと眺めた。
「何だい!お前たちは役者じゃないか!役者なんて俺たちが困ってるときにゃ、デレデレした着物なんか着やがって、いい思いばかりしてるに違いないんだ。そんな非国民みたいな奴らに誰が薪を売ってなんかやるもんか!」
 店の主人の罵倒とも取れる言葉に傷ついて、二人はションボリと歩き始めた。
「いまどき風呂に入りたいなんて、わたしのわがままだったんだわ」
 女がそう思ったとき、男はキッと顔を上げていった。
「焼跡へ行こう!」
 いままで歩いて来た道すがらに、焼跡の一隅があったのだ。そこへ引っ返したものの女はなすすべを知らず、焼けただれた所帯道具の残がいをただ呆然と眺めているだけであった。男は不器用な手つきで焼け焦げた木片を集め始めた。木片には針金がズルズルとついて来たり、釘があちこちささっていたり、集めるといっても容易なことではなかった。彼は手ぬぐいを出してみたが、それで縛り切れるものではない。
「おい!腰紐を解いてくれ」
 男にいわれて、女は素早く鴇色の腰紐を解いて渡した。さなだひもだから細く見えても開げてみると、ずいぶんの太さになる。男はまた不器用に何度もやり直しながら、それでも集めた木片を結い終え、片側の紐を長く伸ばして肩に担いだ。二人は鴇色の腰紐に結わかれた大小の木片を、後生大事に引きずり引きずり歩いた。空にはちょうど、くっきりした上弦の月が出て、暗い夜道を照らしてくれていた。
 家に着いて、その木片で沸かした湯舟に、女は、ようやくの思いでゆったりとつかることができた。外から、
「いい加減かい?どうだい、いい加減だろう」
 と章魚のように口をとがらせて火吹竹を吹きながらいう男の言葉に、女はただ黙って泣いていた。
 そうです。男は花柳章太郎、女は山田五十鈴。こんなすばらしい話を、私は京風のすっぽん料理屋の店で、舞台のはねた後、ほろ酔い機嫌の山田五十鈴さんの口から、直接聞かさせていただいたのです。
 私の唯一の師匠であり、天下の名優・花柳章太郎に、おそらく、一世一代の風呂番の役をさせた山田五十鈴さん・・・」
               中央文庫 p292〜295
 

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Mar 27, 2011

原発と有名人 宇多田ヒカル、坂本龍一の場合

『ミツバチの羽音と地球の回転』を観てきたよ。山口県は祝島の島民の皆さんが、原発を建設しようとする電力会社や国と戦う姿を追ったドキュメンタリー映画。私たちみんながエネルギー消費者であることを自覚して、取り組む責任があるよね、エネルギー問題。沢山の人に観てもらいたい映画です。
http://twitter.com/#!/utadahikaru/status/42221716457521152
http://ameblo.jp/64152966/entry-10816810993.html

 坂本龍一さんを中心にミュージシャンらが所属する任意団体「Artists'Power」はこのほど、新潟県中越沖地震でトラブルが相次いだ柏崎刈羽原発1 件の廃炉を求めるネット署名運動を始めた。
 署名サイトは「Unplug Kashiwazaki-Kariwa/おやすみなさい、柏崎刈羽原発」。同原発1 件の周辺に活断層があり、再び大きな地震が怒れば重大な事故を起こしかねないと指摘。「不安を無視して再稼働すれば、不安の連鎖を引き起こし、社会に必要な信頼を失わせるのでは」として廃炉を求めている。
 賛同者リストにはSUGIZOさんや大貫妙子さん、テイ・トウワさんらミュージシャンのほか、作家の村上龍さんなども名を連ねている。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/07/news118.html

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原発推進CM&協力した有名人:金の亡者たち

http://ceron.jp/url/www.insightnow.jp/article/6430

東京大学
弁護士の北村晴男さん、経済評論家の勝間和代さん、タレントの薬丸裕英さんが原子力の優位性をPR
吉村作治:絶対に安全です
星野仙一:火発・水発・原発の中で一番環境にやさしいのは原発、co2を出さない!出しません!
読売新聞
岡江久美子:『私は、必要だと思います!』
榊原いくえ、映画監督の大林宣彦
田中星児、森高千里
雛形あきこ、伊藤四郎、児玉清
高橋英樹
玉木宏、岡田奈々、小西博之
草野仁
内田春菊、弘兼憲史
玉袋筋太郎、水道橋博士
松本零士
山田邦子
みのもんた:原発は安全でクリーンなエネルギー
ビートたけし:
 「相変わらず原子力発電に反対する人もいるけど
 交通事故の年間の死者の数を考えて、
 自動車に乗るのを止めましょうとは言わない。
 やっぱり使ったほうが便利だからね。どうも
 原子力発電というとリスクばかり言う傾向が
 あるけど、実際、おいらたちはもっとリスクのある社会に
 生きている。変質者に刺される確率のほうがよほど高い(笑)」

 「民主党はCO2を25%削減すると大見得切ってたけれど、
 これからどうするつもりなのか。火力発電よりも
 圧倒的にCO2排出量が少ない原子力発電を使っていくしかないでしょう」

 「だったら、原子力発電には頑張ってもらわないといけない。
 追い風になるんじゃないですか」

 「小型原子炉がテレビショッピングで売られる時代が来ないかな。
 『今日は特別に、ウランをもう一つお付けして、この値段』
 『うわー、安い』とかさ」

http://unkar.org/r/atom/1300430653
http://entamegeinounotubo.seesaa.net/article/192746040.html

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Mar 24, 2011

原発を推進した国会議員他ーコピペです。

原発 東電の罪 2
テーマ:ブログ
原発推進派の国会議員を調べたところ、
東京電力や関西電力出身者が多くてびっくり!
そして、その推進派は雲隠れ?
もっとびっくりしたのは、原発を超強力に推進してきた自民党議員のリストがネットで検索しても出てこないこと。今回の事故を受けて、ネットから削除したのでしょうか?もし、そうだとすると、自民党の腐りかたも末期、信用度ゼロですね。
民主党国会議員 原発推進派 (役職は古いです)
★積極推進派  
   直嶋正行経産大臣(温暖化対策の要)
   小沢鋭仁環境大臣 (温暖化対策に不可欠)  
   増子輝彦経産副大臣 (温暖化対策に極めて重要)
   近藤洋介経産政務官 (基幹エネルギー)
★原発関連業界出身
   空本誠喜衆院議員  東芝
      国力、国益を守るため国をあげて開発すべき
   大島敦衆院議員 日本鋼管
     CO2削減のためしっかり
   大畠章宏衆院議員 日立
     非常に大事
   熊田篤嗣衆院議員  三菱電機
   松岡広隆衆院議員 関西電力
   藤原正司衆院議員 関西電力
     温暖化ガス削減は原子力抜きにはありえない
   小林正夫衆院議員 東電
      不可欠
   加賀谷健衆院議員  東電
      大変効果はある
   柳田稔衆院議員  神戸製鋼所
     世界で一番安全な原発を世界に持っていく
★つられて(?)推進派
   鳩山幸男首相・管直人副総理兼財務大臣
http://ameblo.jp/age44/entry-10832220560.html




これまでの原発推進派の自民・民主の現・元国会議員を教えてください。neo00227さん
これまでの原発推進派の自民・民主の現・元国会議員を教えてください。
原発を推進してきた国会議員は、今回の事故により、推進してきた立場から説明責任があると思います。
ベストアンサーに選ばれた回答iutaha123さん
確か清和会連中ですよ。森・小泉(結城)純一郎・麻生・安倍、こんな所です。
へー・・・。あらあら・・・。
自民党さんは2002年にも東電さんから献金を・・・。2002年
電力役員 横並び献金政治資金収支報告書自民に9社で3500万円
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik/2002-09-13/09_1501.html
原発の・・・ねーーー。自民清和会信者のネトウヨさんも貰ったの・・・?
<補足>実名ですか。
自民党の佐藤剛男衆院議員(福島一区)。
佐藤議員は、電力業界の監督官庁である旧通産省OBで当選三回。現在、自民党の法務部会長を務めていました。
自民党の近藤剛参院議員(比例区)の資金管理団体「政治経済研究所21」も。
同議員は、伊藤忠常務、経済同友会幹事などを歴任、昨年の参院選では財界代表として立候補、初当選しました。
他、自民清和会の議員軒並み・・・。ですよ。
当然でしょ。原発を作った当時の与党は、自民清和会・公明なんだから。
違反報告 編集日時:2011/3/19 04:20:06 回答日時:2011/3/19 02:05:54

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1358014163


日本の原子力発電所Wikipedia
日本における原子力発電は、
1954年3月に当時改進党に所属していた
中曽根康弘、稲葉修、齋藤憲三、川崎秀二
により原子力研究開発予算が国会に提出されたことがその起点とされている。
http://www.marino.ne.jp/~rendaico/genshiryokuhatudenco/history_japan.htm
中曽根のこの動きを背後で操っていたのが読売新聞の社主・正力松太郎である。(正力履歴については、木村愛二氏の「読売新聞・歴史検証」、れんだいこの「読売新聞社史考」を参照すべし)
 正力は、戦後、戦犯として訴追され、政治生命を断たれた。その正力が戦犯解除されるに当たって
CIAとエージェント取引したことが考えられる。同じような経緯で取引した者に戦前の特務機関系右翼・児玉誉士夫がいる。岸にもこの臭いがある。
 正力は、戦犯訴追解除後、古巣の読売新聞社に復帰し、その後衆議院議員になり、日本テレビ放送網社長、第2次岸内閣の原子力委員会議長、科学技術庁長官を務めている。
初代の原子力委員会委員長
に就任していくことになる。
 この正力の意向を受け、「1954.3.2日、中曽根康弘によって日本の国会に始めて原子力予算が上程された」と考えられる。
http://logsoku.com/thread/kamome.2ch.net/mass/1300258805/
http://kokohendarou.seesaa.net/article/190761877.html


福島に原発を誘致したのは 民主党の渡部恒三とその一族です。
渡部の甥の 佐藤雄平 は福島県知事で、黄門さまと共同でアメリカ企業のご機嫌を伺って原発推進してました。
国会議員一人の力でここまでたくさん原発作った例は過去に一度も無い。
同じ原発王国の福井や新潟と比べてもその差は歴然。
しかも発注したのが米GE社製不良品だったからこのザマ。
そのうち渡部恒三が昔この原発宣伝してた映像が出回るようになって議員辞職確定だろう。
佐藤雄平も県知事辞職or次期落選間違い無しだね。
福島にこの欠陥原発誘致をしていたのは、民主党の渡部恒三です
福島にこの欠陥原発誘致をしていたのは、民主党の渡部恒三です
福島にこの欠陥原発誘致をしていたのは、民主党の渡部恒三です
大事なことなので三回言いました。
http://www.kozo.gr.jp/
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=FBE4945FFC50797B9FA135DDC8A97CEC?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=10083
http://www.nikaidou.com/archives/11818

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Mar 19, 2011

東北地震 募金詐欺にご用心

 3月19日、京都大丸百貨店前で、東北大地震の支援を呼びかける募金をしている三人組を見かけました。
 しかし、彼らが何者で、どんな団体に属しているかを示すものは何もありません。ゼッケンにも、ポスターにも何も書いてありません。
 東北大地震をネタに、募金を求める詐欺が横行しています。人の善意に訴えて、あまり余裕のないポケットからお金をむしり取るやり方は、許せない。悲しいことです。
http://www.flickr.com/photos/7294954@N02/5540323072/

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110319/t10014780471000.हटमल
http://kyushu.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/20110319-OYS1T00293.हतं
http://www.atmarkit.co.jp/news/201103/18/fraud.html

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Mar 18, 2011

面白い本を読んだので、その中の一編を全文引用します。

母のこと

 しばらく外国に行くと告げると、母は「あら、そう」とそっけなく答えた。
 外国がどこの国で、どこの町に行くかとは訊かなかった。来週早々に出発すると言うと、「あら、そう」と同じようにつぶやいた。それきりだった。
 僕と母は仲が悪いわけではないが、親密かというとそうでもなかった。幼い頃から両親は共働きだったため、早いうちから精神的に自立していた僕は、何かを決めることで両親に相談したことは一度もなかった。決めたことは、いつも事後報告か、その寸前に知らせるのが普通だった。
 久しぶりのニューヨークで過ごした冬は、何十年かぶりの大雪が降り、毎日が零下の寒さだった。
 携帯電話など無い時代だったから、泊まっているホテルの住所と電話番号だけは母に伝えていた。頼まれてそうしたのではなく、せめてそのくらいはしておかないと、と思ったからだ。正直いうと、そんなことで旅の不安を少しでも和らげたかったのかもしれない。
 日本を離れて二ヶ月経ったある日の午後、風邪を引いてしまい部屋で寝込んでいたら、ドアをノックする音がした。開けるとホテルの従業員が、「電話がかかっている」と教えてくれた。部屋に電話がないため、外からの電話はすべてフロントを通す。ギシギシと音をたてながら動くおんぼろエレベーターで下へ降りて、フロントの受話器を取った。電話をかけてきたのは母だった。僕は驚いた。「もしもし、お餅をたくさん頂いたから、送ろうと思うんだけどいる?」「うん。でもこっちには焼く道具がないよ。ホテルだから台所もないし。だからいいよ。」「どう、そっちは?」「寒いよ。風邪引いて今日は寝てたよ」「熱あるの?」「測ってないからわからない」「あら、そう」母はいつもと同じ言い方をした。
 「ちゃんとご飯食べてるの?」「ああ、食べてるから大丈夫だよ」母は少し黙ってから、「じゃあまたね」と言って電話を切った。電話を切った後、日本は今何時だろうかと思った。時差を考えて、母は電話をかけてきたのだろうか?
 それから一週間後の朝のことだ。またしても母からホテルに電話があった。「風邪は治ったの?」「うーん、まあまあかな」「あら、そう。今ね、用事があって近くに来てるのよ」「えっ!来てるってニューヨークに?」「そうよ、友達に会いに来てるのよ。だからあなたのホテルにこれから行こうかと思ってるんだけどいいかしら?」「来てるって、今どこにいるの?」「空港よ。タクシーでホテルまで行くわ」「って大雪だからタクシー走ってないよ」「大丈夫よ。じゃあね」
 海外旅行をしたことがない母に、ニューヨークに友達がいるなんて考えられなかった。気になってホテルの玄関を開けると、外は雪が風に舞って吹雪になっていた。
 一時間経った頃、一台のタクシーがホテルの前に止まり、人影が道路に降り立った。見ると大荷物を両手に持った母だった。
 「前もって言ってくれれば、空港まで迎えに行く行ったのに」「病人に迎えになんて来させられませんよ」母は真っ白な息を吐いて言った。ホテルに入ると、母はフロントにいた従業員に深々と頭を下げて、「いつもお世話になっています。ありがとうございます」と日本語で挨拶をした。そのいんぎんさに、みな目を丸くして驚いた。
 部屋に案内すると、母は口を一文字にして黙りこくった。あまりに簡素で寒々とした部屋を見て、言葉が出ないのがその目を見てわかった。母は両手に持っていた荷物を僕に渡した。見ると、お餅やインスタントみそ汁、海苔やしょうゆ、おせんべいといった食品ばかりだった。風邪薬もあった。一番驚いたのはオーブントースターを持ってきていたことだ。
 「これでお餅を焼きなさいね」「いいのにこんなことしてくれなくても」僕はありがとうと素直に言えなかった。「じゃあ私もう行くから」母は荷物を置くだけ置いて帰ろうとした。「どこに?」「友達のところよ」「そこはどこ?」「空港の近くよ」僕は母を引き止めたが、母は帰るときかなかった。
 フロントでタクシーを呼んでもらい、待っている間、ふと母を見ると、涙をひとすじ流していた。それを見た僕もこらえられずに涙した。母との間に会話はなかった。
 タクシーが到着した時、母は口を開いた。「がんばんなさいよ」「うん、ありがとう」タクシーに乗り込んだ母は、「じゃあね、バイバイ」と言ってドアを閉めた。タクシーは吹雪の中を走り去っていった。
 三日後、母から電話があった。日本からだった。聞くと、母は次の日の朝の便で帰国したとわかった。「この間はありがとう。しかし、よく英語を話せたね?」「親を馬鹿にしちゃいけませんよ」母はクスクスと笑った。「ニューヨークの友達って誰?」そう訊くと、「あんたの知らない人よ」と母は答えた。
      松浦弥太郎「場所はいつも旅先だった」集英社文庫 pp42〜45

コメントも感想の書きません。が、この文章、私は好きです。

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高齢者残し、医師ら避難か

 同じ医師として、「恥を知れ」と言いたい。(以下は下のURLよりのコピペです。)

 事故が相次ぐ福島第1原発(福島県大熊町)の10キロ圏内にあり、避難指示が出た同町の双葉病院で、患者を避難させるため自衛隊が到着した際、病院内は高齢の入院患者128人だけで、医師や病院職員らがいなかったことが17日、分かった。県災害対策本部が明らかにした。
 同病院の患者のうち14人は、避難途中や避難先の県立いわき光洋高校(いわき市)で死亡した。
 対策本部によると、官邸危機管理センターは14日未明、原発の10キロ圏内に取り残された住民について「明け方までに避難させること。避難しない場合は責任を取れない」と県に指示したという。
 県は自衛隊に救助を要請。隊員が15日、双葉病院に向かったところ、300人を超える患者のうち、寝たきりの高齢者ら128人が病院にいたが、病院関係者はいなかったという。
 自衛隊は16日までに、バス3台を使って病院から搬出。被ばく状況を調査した上で、避難所に移動させた。
 県の担当者は「病院職員がいないことはあり得ない。放棄ととられても仕方がない」と批判。同病院を運営する医療法人「博文会」関係者は取材に対し、「理事長と連絡が取れず、事実関係は分からない」としている。(2011/03/17-19:04)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011031700997&j4

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Mar 16, 2011

東京電力の大ウソホームページ

 東京電力のホームページから引用しました。「想定外」も「想定した」安全性を強調しています。

 原子力発電所の建物や機器・配管などは、歴史上の地震や活断層の詳細な調査結果に基づき、周辺地域でこれ以上の規模では起こり得ないような大き な地震や直下型地震を想定し、これに耐えられる設備とするため、耐震上の重要度に応じてS・B・Cの3つのクラスに分けて設計しています。

 原子力発電所では、敷地周辺で過去に発生した津波の記録を十分調査するとともに、過去最大の津波を上回る、地震学的に想定される最大級の津波を 数値シミュレーションにより評価し、重要施設の安全性を確認しています。また、発電所敷地の高さに余裕を持たせるなどの様々な安全対策を講じています。
http://www.tepco.co.jp/nu/knowledge/quake/index-j.html
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011031600432
http://blog.livedoor.jp/nyussoku/archives/51782412.html
http://www.47news.jp/news/2011/03/post_20110317120915.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110317-OYT1T00477.htm
http://housyanoutaisaku.seesaa.net/article/190559555.html

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Mar 15, 2011

関西電力に勤めている友人から?

 15日の京都新聞に出た記事です。そのまま引用します。

「一昨日、知人から携帯電話にメールが来た。「関西電力に勤める友人からにお願い」で、東北地方に電力を送るため、節電とメール転送を呼びかけでいる。これならできる。エアコンを止め、部屋の明かりを落とした。ところが朝刊を開くと「真偽不明メール」とある。東西の周波数の違いで、送電に限界があり、節電の効果は薄いらしい。しかも大勢が善意でメールを転送すれば、通信を混乱させる。電話がつながらず、安否確認さえままならない被災地にとって迷惑でしかない。がっかりすると同時に、情報に踊らされた不明を恥じた」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110314-00000018-minkei-l27
http://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/kinkyu01_000096.html

 実は私の携帯にも同様のメールが来ました。以前からあまり理知的でない人からだったので、「チェーンメールは通信を混乱させるので、止めた方がいいよ」と返信しておきました。

 世の混乱に乗じた愉快犯です。「不幸のメール」などと同じ根をもつ悪質な悪戯ですが、「自分にも少しでも役にたてるなら」というささやかで軽率な善意に訴えます。目的は違いますが、「振り込め詐欺」も同様の手口です。自分がこっそりいい人になったように思わせる、寂しい自己欺瞞です。
http://www.flickr.com/photos/7294954@N02/5525490515/

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Mar 10, 2011

大地震・大津波

 ニュージーランド地震のことを書いているときに、東北から関東で大地震が発生、各地を大津波が襲っているようです。被害状況は正確には不明で甚大になる模様です。恐ろしい。

 ニュージーランドの地震のニュースは、日本中を驚かせました。怒りのやりようのない、遣る瀬無さに悶々とした人も多かったことと思います。
 今更言えば、ニュージーランドは地震国で、70年前の大地震でも甚大な被害を被っています。それに多くの命を飲み込んだあのビルは、同国で新しい耐震建築の基準が適用される前年にできたビルだったそうです。だとすれば、新しい基準ができる前に、駆け込みで古い基準に合致させて建てたものだった疑いが濃厚です。しかも当局の年次審査は、目で見て実施するだけだったといいますからお粗末です。現地を訪問した遺族たちが、まわりの建物は残っているのに、と疑問を投げかけていましたが、真相がどこまで究明されるのかは闇の中です。

 人は予測しない事態で変死します。

 砂漠地帯では、熱死する人の数よりも、溺死する人の数の方が圧倒的に多いことは、あまり知られていません。砂漠では、高熱と乾燥には対処法も確立しているでしょうが、年間に数日しか降雨のない土地では、溺死は予想していないからです。
 わが国で、2009年7月に起こった、旭岳トラウムシでの大量の凍死事件も、まさか夏山で凍死なんて、という無知がそもそもの原因です。気温が15℃でも風速15mの風が吹けば、体感温度は-15℃にまで下がります。夏山でも凍死に備えるのは、登山の常識です。が、悪天候なのに計画を中止しなかったり、前もって装備のチェックを怠ったガイドの責任は重大です。

 そんなことわからないから、と言ってしまえばそれでおしまいです。他人は自分のことで精一杯です。旅行会社だって、とりあえず旅行代金を集めて、おざなりのガイドをしているだけで、旅客の安全を第一に考えているわけではないでしょう。とにかく、自分で気をつけるしかない。
 ニュージーランドが地震国であることを知っているだけで、随分条件が違います。夏山とはいえ、山の気候の変動が恐ろしいことくらいは、計画の段階で知っていなければならないことです。そして、砂漠では熱死よりも、溺死が大敵であることを知って旅行していれば、被害を最小限にできるはずです。

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Mar 9, 2011

激痛のある病気、三叉神経痛など

 三叉神経痛という病気があります。頭部・顔面に激痛を自覚する病気です。歯の痛みと思って歯科を受診したりしする人もいます。普通の鎮痛剤では効きません。
 ネットで同疾患を検索しても、疼痛の性質の記載がいい加減です。痛みを不当に軽く記載してあったり、持続性がないように記載してあったり、実際にこの病気をもっている人の症状とは著しく異なる内容です。
 とにかく痛い。慢性の疼痛ですが、初めてこの痛みに襲われたときには、とにかく、「頭をドリルで砕かれているようだ」と表現されます。持続的で、発作は一日中続きます。歯科受診などしても、正しく診断されなければ、諦めて年単位で苦しむ人もいるようです。
 痛みは歯の部位であることもありますが、前頭部だったり、目の近くだったりします。三叉神経の領域は顔面に広く、診た事のない医師には手ごわい 相手です。三叉神経は脳神経で、鎮痛剤はテグレトールという癲癇の薬が有効です。同神経は左右両側の耳のあたりから三つに分かれて顔面の上中下に分布しま す。どの枝の痛みかで痛みの部位が異なりますが、左右どちらか一方の痛みであることが特徴です。この点は、経験のある方ならなるほどと思われるでしょう が、帯状疱疹の痛みに似ています。
 寒さが引き金になる場合がありますから、もうあまり若くない方々は、普段から保温に注意することが予防になります。受診する場合は、耳鼻科か脳神経外科のいずれかがいいと思います。初発なら投薬だけで、症状は劇的に改善します。
http://square.umin.ac.jp/neuroinf/patient/503.html

 「背中が剥がされるような」、という激痛を訴える病気があります。これは診断を誤ると命にかかわりますから、いい先生を受診する必要がありま す。大動脈解離という難しい名前の病気です。かつて石原裕次郎さんが罹患して有名になったことがあります。背中を走る大動脈の壁に隙間ができて、血管の壁 に解離性大動脈瘤という血の塊が大きくなっていく病気で、進行性です。大動脈が裂けて穴が開くと大出血して即死することもあります。普段から原因不明の腰 背部痛をもっていて、とりあえず貼り薬でごまかしている人が、急に大発作に襲われて発症します。
 先天的に血管の弱い病気をもった人は要注意で、手足が長く、それに背の高い人に多いと言われています。一般的には動脈硬化の進行した脆い血管に起こりますから、食生活が一番の予防法です。
 痛みの症状から、初期には膵炎や腎結石を疑われることがあります。膵癌の場合も症状が似ています。また初期は解離腔が大きくないので、診断が困難ですが、症状が持続するときは、専門医を受診することをお勧めします。
http://sunaowatanabe.sakuraweb.com/AoDissection.htm

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Mar 5, 2011

雲丹の味と豆腐の味、知っていますか?

 メニューを認めたカードを見て、「雲丹は嫌いだ」と言っていた人が、ふと見ると、その雲丹を鮑の酒蒸しに塗ってせっせと食べています。「雲丹は嫌いでは?」と尋ねてみたら、「おいしいから」というお返事です。

 こんな場面に出くわして、何を考えたらいいでしょうか?
 実は、雲丹という食材は、大変傷みやすくて、その保存方法を知る必要があります。実は、その食感や形状を維持するために、にがり(塩化マグネシ ウム)を使用しています。実際に私たちが食べる雲丹で、この処理をしていないものを食する機会は滅多にありません。そのときの雲丹は、幸運にも、新鮮な生 きた雲丹をクールで取り寄せたものを食卓に供する直前に割って出したため、その保存処理をしていない、超新鮮な雲丹だった、というわけです。私は海辺の育 ちなので、幼児から、新鮮な雲丹を食べていましたから、その雲丹を食べたときから、これは新鮮だ、と感じていました。

 にがり処理をしていないことを一口で悟ったその人は、実に鋭い食感の持ち主だという証明です。野生の獣にも匹敵する、真のグルメと言えます。そ もそも、その辺のお店で雲丹を食べて、やっぱり雲丹はおいしい、なんて言ってる人は、雲丹を味を知らない人だ、ということです。況や、回るお寿司の雲丹の ごとき、もう溶けてしまっていて、雲丹の形状すら保っていません。あれはもうすでに、雲丹ではないのです。
http://patent.astamuse.com/ja/published/JP/No/2007061052

 もうひとつ、日常の食材である豆腐ですが、そもそもはにがりを使って作っていたのですが、現在スーパーやコンビニで手に入る豆腐の多くは、にが りでなくて、安く手に入る硫酸カルシウムを使用しています。この味を知っている人は多くないかも知れません。京都で暮らして、きちんとしたお豆腐屋さんで 買った豆腐を食べている人なら、一度スーパーの豆腐を食べたら、その違いがわかります。硫酸カルシウムとは、つまり石膏です。グラウンドに蒔く石灰のこと です。石灰で固めた大豆を食べているのです。それが当たり前になって、豆腐が好き、と言っている現代人は何だか哀しい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%86%E8%85%90

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