京の路地から From Kyoto with Love

Why don't you visit Kyoto to meet something new? 京都は私の空気、水のようなもの。新しい京都、古い京都。その中で、日々綴った、現代の枕草子。

Name:
Location: 京都市, 京都府, Japan

悪戯な好奇心の猿一匹、飼っています。Keeping a curious monkey in my mind.

May 31, 2010

鉄ちゃん哀歌、JRとJTBに旅心なし。

 日本旅行が500系新幹線の引退当日に、博多・東京を往復する「最終日乗車プラン」を企画したところ、定員110人のところ、発売10分で完売、50人のキャンセル待ちが出たそうです。500系新幹線は始めて時速300kmで走った、鉄道ファンには忘れられない車種でした。
http://park7.wakwak.com/~oya-p/train/haisen.html

 ところで、我が国の鉄道旅客人口はJR六社だけで年間89億9千万人で、二位インドの51億人、三位ドイツの17億人を抜いて、日本はダントツで世界一です。おかしいと思いませんか? 鉄道は儲かっているはずです。なのに、赤字だからといって、全国の地方路線を次々に廃線に追い込むは、ブルー・トレインをなくすは、旅の楽しみのひとつの食堂車やビュッフェを廃止するは、鉄道員を減らして、事故をふやすは・・。地方路線の廃線時には、必ず現地では残存を求める声が上がっていますが、「赤字」を盾に、その声には聞く耳をもたないのが、JRを始めとする日本の鉄道会社のやり方です。赤字路線ほど、生活に必要な、地域の足なのですから、儲けにならないから廃線、という会社の「金の論理」でごり押しはご遠慮願いたいところです。それに鉄道ファンにとっては、貴重なアイテムなのですから。これは文化の問題です。

 別の話ですが、毎日のようにどこかで事故を起こしている京都の市バスですが、赤字だからといって、路線を切り詰める、路線を廃止する、人員を削減する、のは止めてほしい。結局、バスの本数が少なくなるし、混んでいるし、今まで一本で行けたところへ、乗り換えないと行けなくなるし、ではお年寄りにはキツい。お年寄りでなくても十分キツい。結局不便になって、ますます利用客が減って、全国一高い運賃をまた値上げして、というお決まりの悪循環です。そもそも「赤字だから」という理由がわからない。地方公共団体の交通機関が、納税者である住民相手に金儲けを企んでいるのか?と訝しい。「住民の足」を確保するのが第一の目的のはずなのに、儲けにならないからといって、ある路線を切り捨てます、という理屈は通らないと思うのですがね。

 JTB が商品売りっぱなしで、現地でのトラブルに全く対処してくれないことは別に書きましたが、窓口も悪辣です。パンフレットをみると、とても買いやすい価格のツアーを大きな字で印刷してありますが、安い価格帯は、働いている人にはとても行けない期間が設定してあります。そして、百貨店のバーゲンなみの「〜から」料金で、実際には倍くらい高いツアーを選ばざるをえなくなっています。去年上海ツアーの相談に行った時、自分のプランに合った価格帯で問い合わせると、「その期間は満席で予約がとれない」と言います。そして、「あ、ひとつ空きがありました」と言って、同じ期間ですが、最高の価格帯よりもまだ高価なツアーを押しつけてくるではありませんか。始めから「おとり」メニューを看板に、実際には高いツアーを売りつけようという、悪徳不動産屋なみの手口です。JTB が満席だというツアーだって、実際現地へ行ってみると、ホテルもガラ空きだと言っていた人がいました。

 かつては大阪から東京へ、夜行の「銀河」という急行がありました。学生には強い味方でした。それもとうに廃止されて、結局高くて味気ない「のぞみ」に乗るしかない状況です。それって「旅行」じゃなくて、「運送」ですよね。青森行きの特急「白鳥」も懐かしい列車です。2005年に廃止された、長距離寝台特急「さくら」や「あさかぜ」をご記憶の方も多いと思います。旅行好きの人のために、せめて週一でいいから、残せないものなのでしょうかねえ。

 アメリカのニューオーリンズの「欲望という名の電車」"Streetcar Named Desire"、は現役です。テネシー・ウィリアムズの戯曲のタイトルになっていて、ヴィヴィアン・リー主演の映画(1951年)に登場します。1923年から、そのままの姿で、エアコンもない車両が、今日も走っています。日本では京都の市電は、車社会の邪魔者として、追い払われて、今、その増えすぎた車による環境破壊に、自分たちが苦しんでいます。「自動車会社」を儲けさせることが、第一だったのです。京都の街は、歩いてこそ旅の真価があります。市電・市バスを足にして、肌で街を感じなければ、京都を旅したとは言わせない。ふと横町の名もない雑貨屋さんで、ささやかな衝動買いをしてこそ、それが忘れ得ぬ旅情を醸すことになります。
http://www.geocities.jp/travelog73/RecNeworleans.htm
http://homepage2.nifty.com/kisya/kyotosiden.htm

 ギネスブックが公認する世界一の豪華列車は、日本でもアメリカでもない、南アフリカを走っています。日本が経済大国で、日本人は金持ちという幻想から、私たちはいい加減解放されないと恥ずかしい。「金持ちの日本人はあんたのことじゃあねえんだよ」って、外国人に言われなければ、気付かない間抜けでは、真実恥ずかしいと思わないとね。その豪華列車は「ブルー・トレイン」といって、アフリカ大陸南端のケープタウンと、南アフリカの首都ブレトリア間を約27時間、一泊二日で走っています。駅へ行くと、まず制服ポーターにスーツケースを預けて、待合室に案内され、ソファーでシャンパンを飲みながら待たされます。すると黒服のトレインマネージャーが現れ、挨拶して、乗客をプラットフォームへ案内。自分のキャビンに入ると、テーブルにはフルーツが盛られて、クーラーにはシャンパンが冷やされてあります。すべて無料です。道中、食堂車でのフルコース・ディナーも、バーカーで飲む酒も、すべて無料です。というか、それだけの料金をすでに払っている、ということです。キャビン内には大理石のバスタブまで付いているそうです。(櫻井 寛「今すぐ乗りたい!世界名列車の旅」新潮文庫)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=QB-at6dscyg

 旅をするのは、ただどこかへ行くことではありません。食堂車もビュッフェもシャワーもガラス張りの展望車も、本当に客を荷物のように輸送する以外、何の機能もない新幹線での旅行でいい、という人はそれでいいのですが、食堂車で地方のグルメを楽しむのも、旅の楽しみだと思うのですが。おそらく旅好きの外国人が日本へ来たとき、日本の列車の旅を、この上なく退屈なものと感じて、また日本へ来たいと思う人は多くないと思います。あの列車に乗るために、また日本へ行きたいと、思わないよね。

 旅の楽しみをひとつ、またひとつと奪われていく日本の鉄ちゃんたちが、可哀想に思えてなりません。そんなことを、旅行する人の権利だと、思うほどは日本の文化は高くないのでしょう。鉄道会社の金儲けが第一で、旅客の満足は全く考慮されない日本の鉄道事情が情けないです。

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May 28, 2010

椎名林檎

 ファンの人たちからはお叱りを受けるかも知れませんが、椎名林檎さんの歌で、一番好きなのは「灰色の瞳」です。一生懸命歌っている姿が、彼女の歌にかける情熱を物語っているようで、感動的です。http://www.youtube.com/watch?v=_PVVbf3V-Jk

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May 26, 2010

ばら色の人生

 「ばら」という花の名は、いつも「ばら」「バラ」「薔薇」のいずれの表記にするか迷います。ケース・バイ・ケースで決めていますが、個人的には「ばら」 が好きですが、「バラ」と表記することも少なくありません。カタカナだと、花の種(しゅ)を表すように見えて、ちょっと学術的雰囲気も味わえます。一方、 「薔薇」は子供の命名の際ののDQNネームのよう、教養のない人が、慣れない漢字を弄んでうれしがっているようで、好きになれません。

 ばらと言えば、今年も嵐山のばらに埋もれた喫茶店「ラビアンローズ」が開店しています。お店に関しては去年、紹介の文章を書きましたので、そち らをご覧下さい。今年(2010年)は6月9日まで?の営業とかで、電話番号は不明です。因みにアクセスは、四条大宮から嵐電の嵐山行きに乗って、民家が 車窓にせまる鉄ちゃんにお勧めのワクワク旅です。終点ひとつ手前の「嵐電嵯峨」駅下車、ホームを出て(改札は無人です)左へすぐです。嵐電は全区間200 円。29日の土曜に行ってきましたが、満開を過ぎていてちょっと残念でした。定休日は木曜日だったと記憶しています、と去年も書いたのですが、わざわざ木 曜にいらっしゃった方がおられたようです。
http://www.flickr.com/photos/7294954@N02/4650433548/
http://blogs.yahoo.co.jp/mralpen009/47224266.html
http://jazzy1960.spaces.live.com/blog/cns!F6A1ABF30B059111!1418.entry
http://happyhappysweets.blog103.fc2.com/blog-entry-189.html

 ばらをテーマにした歌で名曲を思い浮かべてみるのですが、これだけ人気のある花なのですが、私の記憶の中では、不思議と名曲が少なくて、驚いて います。これは単に、私の教養の貧しさのせいかもしれません。これはという名曲があれば、是非ご紹介下さい。
 そこで、私が思い浮かべる中で、やはりダントツの名曲は、パリの歌姫、Edith Piaf (エディット・ピアフ) の "La Vie En Rose"(ばら色の人生) でしょう。日本語では越路吹雪が歌って定番になっています。その他、シャンソンを歌われる歌手の方は皆さんお歌いになるようですが、その訳詞が、日本の他 の訳詞と同様にただの甘っちょろい愛の歌に成り下がってしまっていて、大抵は興醒めです。ご存知の方もおられると思いますが、美川憲一さんのレパートリー の一曲でもあります。私個人としては、日本語では長谷川潔さんの歌が好きです。
 ピアフは彼女の人生そのものから、この歌にうってつけの歌手だったと、納得させられます。
http://www.youtube.com/watch?v=rKgcKYTStMc
http://www.youtube.com/watch?v=aHF2ljMCGdw

 日本の歌で加藤登紀子さんが歌われた「百万本のばら」という歌がありましたが、これはわざとらしくて、あまり好きになれませんでした。愛を伝え るなら、ばらは一輪で十分だと思います。加藤登紀子さんともあろう歌手が、なんだか「受け狙い」というか、成金趣味というかみたいで、これも興醒めした歌 でした。懐かしい歌で、マイク眞木という歌手が「 バラが咲いた」という歌を歌ってヒットしたことがありましたが、あの歌は、恥ずかしいくらいの駄作だと思います。無内容で深みのないという点で、他のJ- Popと同じ印象です。

 渋いところで、アイルランド出身の Mary Black (メアリー・ブラック) という歌手が歌う"The Rose of Allendale" (アレンデールのばら) という曲が秀逸です。日本の歌謡曲やポップスを聞き慣れた耳には、地味ですが、何度聴いても、心に訴えてくる何かがある名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=zMGywGqf7wI&feature=PlayList&p=EE0CF06914D0C4DA&playnext_from=PL&playnext=1&index=48

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May 25, 2010

哀しい「被占領国日本」の沖縄

 占領軍の被占領国統治の基本戦略は、被占領国人民の不満を、決して占領国に向けないことです。占領国ではなくて、被占領国の政府に不満が集中するように し向けて、被占領国内部に対立を生むことです。今の日本は、まさにその状況にあります。NHKや朝日新聞など、報道はすべて、鳩山さんを責める方向で一致 していて、誰一人米軍やアメリカを責める人はいません。原因は、駐留米軍にあることは、明らかなのに。あの社民党すらが、米軍基地撤廃の論調ではなくて、 地元に擦り寄って、与党であるにも関わらず、自分だけがいい子になろうとしています。
http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51303031.html
http://planz.blog62.fc2.com/blog-entry-137.html

 マッカーサーによる戦後の統治時代、「プレスコード」による厳しい報道統制があり(アメリカは「自由の国」ではないですよ)、当時の日本には事 実上「言論の自由」はありませんでした。その中で、その統制に順応したNHKや朝日新聞などは、そのおかげで生き延びたのです。今も、その奴隷のような報 道姿勢は変わっていません。ニュースも社説も声も、とにかく鳩山攻撃一色です。「もうアメリカの基地はいらない」というのが真の沖縄の声のはずです。
http://maesaka-toshiyuki.com/detail?id=72

 日本がフィリピンを占領したとき、フィリピン人の「何故日本はフィリピンにいるのか?」という問に、「フィリピンの平和を守るためだ」と言って いました。そして、「長く米英の植民地になっていたフィリピンを、日本が解放するために来たんだ」とも言っていました。そして、占領国日本への不満を、現 地の政権への不満へ転嫁することが占領の基本政策でした。これはどの占領国にもあてはまることです。今の日本も全く同じです。アメリカは「日本を守るため に」沖縄にいるんだ、という占領国の論理がすべてで、戦前の「天皇陛下」が占領国「アメリカ」に置き換わっただけで、その統治に疑問を投げかけることす ら、許されない状況が作られています。
http://www.asyura2.com/10/senkyo77/msg/944.html

 アメリカで核不拡散条約の再検討会議が開かれています。現地に広島、長崎の被爆者たちが出向いて、核兵器廃絶の運動をしていますが、現地での反 応はいまいちで、「自己満足」だと参加者は悲しんでいます。アメリカのマスコミは、核廃絶への世論を盛り上げることに反対しているのです。同時に、北朝鮮 と韓国の間に緊張が高まっています。これに対して、中国とロシアは冷静です。アメリカと韓国の主張を、第三国が鵜呑みにできないことは当然です。この緊張 を、反北朝鮮キャンペーンを盛り上げて、核廃絶と沖縄基地撤去の運動の火消しに利用していることは、一目瞭然です。
http://gannriki.iza.ne.jp/blog/entry/1623633/
http://d.hatena.ne.jp/warabidani/20100521/p2

 沖縄の現実と、基地の存在する意味から考え直そう。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-162635-storytopic-11.h

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May 24, 2010

沖縄、普天間

 かつて、「天皇陛下のために」と言えば、誰もそれに疑問を差し挟むことすら許されなかった時代がありました。兵器、兵力、燃料、補給等、どれをとっても2ヶ月が限度という戦闘力であの戦争に突入して、データ通りの悲惨な敗北を経験して、今度は「戦勝国アメリカ」が絶対。戦前の「天皇」が、戦後は「アメリカ」に変わっただけの、みじめな国民。沖縄は、天皇陛下のための戦争の犠牲になって、戦後はアメリカの思いのままです。日本の国は、国として、何を考えているのか? 私たちは沖縄の悲劇を、誰も理解できない国民なのかと、泣きたい思いがします。鳩山さん一人で、できるわけないじゃないですか。国民の総意で、アメリカに基地を撤去するように命令しないとできないですよ。日本の国土なんだもの。私たちが主権者なんだもの。もうこれ以上、沖縄県民を泣かせておけない、と、国民すべてが心からそう思わなければ、沖縄は救われないのです。

 やっぱり、基本、人間として私たちがどう考えるのか、ということです。沖縄の人々が強制的に土地を取り上げられて65年間。騒音や環境破壊や治安の劣化やに、今も苦しめられ続けているのに、被害者が自分でなくてよかったと思って、だんまりを決め込む日本人の卑怯さは、一体何なんだろう。暴行されたのが自分の娘でなくてよかったと、安心することが何故できるのか。すべて自分の問題なのだと、何故感じることができないのか。鳩山さん一人に責任をなすりつけて、済むと思っていることが、寂しい。同じ日本人なのに。

 日米関係がすべてですか? 本当にそうなのかを、誰も提起しないのでしょうか? 普天間の海兵隊が、沖縄をここまで犠牲にするほど、それほど重要なのか、説得力のある説明がなされているのでしょうか? 

 マスコミは本当に無責任です。鳩山さんが無力だという論調一本です。そうじゃねえだろう。沖縄でなくて、日本じゃなくて、ハワイやグアムに移転できないのかと、問いかけなきゃダメだろ? 沖縄も、それ以外の日本国内も、もうどこも受け入れられないことを、アメリカに対して強く訴える論調にならなきゃダメだろ? そうやって、日本中に国民の総意としての、大きな世論を巻き起こさなければ、相変わらず沖縄と鳩山さんの問題で終わってしまうのは、目に見えています。鳩山さんにばかり依存する社民党のふがいなさには、つくづく情けない。とくに社民党は、社民党らしく、皆が国民の中に出て、毎日、毎日、基地に「NO」という世論を盛り上げる活動をしなければ、社民党じゃないですよね。与党の一員のくせに、鳩山さんを援助するどころか、自分たちは何もしていないのに、自分だけいい子になろうとする無責任は許せるものではありません。

 かつて、こうやって、日本は戦争に突入していったのです、天皇陛下と帝国軍部には、誰も逆らえなかった。多喜二は立派でしたね。同じように、今、アメリカが絶対で、誰もアメリカにものを言えない状況が沖縄を犠牲にしています。日本という国と国民はは、戦前とちっとも変わっていません。

http://satoru99.exblog.jp/12334802/
http://www.liveinpeace925.com/us_base/flyer100418.htm
http://blogs.yahoo.co.jp/dogwandogwan/60864755.html
http://yukihiro-go.at.webry.info/theme/ccce42a598.html
http://news.livedoor.com/article/detail/4770971/
http://konn.seesaa.net/article/133536608.html
http://blog.with2.net/find_item_cache.php?id=127320980000&key=%A5%AB%A5%EA%A5%D5%A5%A9%A5%EB%A5%CB%A5%A2

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May 17, 2010

京のおそがけランチ

ランチと言えば、寺町三条上ルの「スマート珈琲店」が定番ですが、ちょっとばかりスヌーズして遅れた時には、川端通り四条、南座正面のレストラン「菊 水」(11:00〜24:00, 075-561-1553)を利用します。ランチメニューは洋食で850円、ビフカツと白身魚料理のワンプレートで、スープにサラダ、コーヒーか紅茶が付 いていて、申し分ないです。豚カツやチキン料理でないところが、しぶいというか、京都らしいですね。夜の定食も同様ですが、ビーフステーキになって、 850円です。ただし平日は食事メニューは20:45までなのでご用心を。 南座での観劇のあとの虫養いには、近くてピッタリです。営業は午前0時までで すから、夜遊びの後の遅いお食事にもいいかもね。
http://www.restaurant-kikusui.com/
http://kyoto.hiho.jp/7kyoto-kikusui.html

 正面は四条通り。一面ガラスで明るく、通行の着物やボデコンのお姉さんや、何かしら金持ちそうで怪しいカップルなども見えて、マンウォッチング しながらの、昼下がりの食事です。月に4回、一階で生演奏があります。5月は弦楽四重奏のカルテットで、16日(日)、22日(土)、28日(金)、30 日(日)で、時間は18:30〜、19:30〜 2回です。

 このレストラン、2階はもうちょっと高級なレストランで、3〜4階は120名までの宴会場で、昭和初期のシャンデリアも当時のままで、さらに高 級です。そもそも建物自体が国登録文化財に指定されています。
http://www.arcstyle.com/kyoto/224_kikusui.html

 このお店は、また「菊水ダンス会」の催しもあります。ご興味のある方は、お店に問い合わせてみてはいかがでしょうか? 夏期には屋上ビヤガーデ ンの営業もあるそうです。さらに観劇弁当は、南座で観劇の祭、幕間に劇場までお弁当を届けて下さるサービスです。便利ですね。

 いつも思うことは、グルメ系のブログなどで、うれしそうにレポートして下さるのはいいのですが、お店の電話番号がなかったり、休業日が書かれて いなかったり、アクセスが不明だったり、価格が記載されていなかったり、とイライラすることが多いのですが、なんとかならないですかねえ。

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May 14, 2010

駅員がいれば・・

 最近気になる鉄道事故が2件ありました。
 一つは、近鉄南大阪線河内天美駅の北側の踏切で、92歳のお婆さんが、渡りきれずに、準急列車に轢かれて死んだ事故。
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20100501-624812.html
 これについては、誰か見ていた人はいなかったのか、という疑問を投げかけている人がいます。

 もう一つは、これも大阪ですが、南海高野線千代田駅構内で、女子生徒がはねられて死亡した事故。女子生徒は同学年の女子生徒(15)と2人で下りホームから約1.1メートル下の線路に下り、幅約6.6メートルの線路を走って渡り、上りホームにはい上がろうとして、快速急行にはねられたそうです。駅には当時、駅員2人がいたが、いずれも改札口横の駅務室にいて!、悲鳴と警笛で事故に気づいた。ホームに監視カメラはない!。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201005140014.html
 この事故については、同情の余地のない迷惑行為だとの意見が圧倒的です。

 最近では検札にも、ホームにも、駅員を見かけないのが当たり前になってしまいましたが、以前は、少なくとも駅の踏切には監視員がいて、列車と通行人に目を配っていました。また駅のホームにも、必ず駅員がいて、列車の通行時は、安全に注意していたものでした。
http://blogs.yahoo.co.jp/yuushi2011/48120907.html

 踏切に監視員がいるか、または、常に監視できるモニターを設置していれば、事故は防げた可能性があります。踏切に人や車が立ち往生した場合に、それを知らせるアラームを設置することもできるはずです。
http://blog.goo.ne.jp/yutarinorou/e/5c8c75650d748f2b9f29be3ab26cfbe6
http://www.mintetsu.or.jp/knowledge/term/133.html

 ホームに駅員が一人いて、十分に監視していれば、物を落とした人や、線路に降りようとする人を発見することは可能です。

 死んだ女子生徒のやったことは、ただただ迷惑で、弁解の余地もないのでしょうか? この世には「絶対」ということがあって、狼は決して出てこない、ということでしょうか? いいえ、「狼はきっと現れる」というのが童話の教訓です。どんなに注意していても、事故は根絶できません。私自身、車が来なければ、信号無視します。日本人ほど交通信号を守る国民は少ないと思います。運転手は、信号や交差点では、常に制動の構えが必要です。遮断機が降りているから、駅構内だから、歩行者はいないだろう、と信じ切っていることが、万が一の事故を防げない原因になります。遮断機内の立ち往生事故は、決して希ではありません。誰か、何かが立ち往生しているかも知れない、と予想しているだけでも事故の何分の一かは防げたかも知れないのです。
 死んだ女子高生に悪意はありません。その行為は軽率でしたが、「死」をもって贖う罪とするには、あまりに可哀想です。こんな子供がいても、それでも命だけは救いうる世の中にしたいと、私は思います。鉄道会社は、人を減らして、利益を増やすことしか考えていません。人びとが、その会社の立場からものを考えて、同情の余地なしと考えてしまうことが、私には、限りなく悲しい。

 駅や踏切は、安全第一にはできていません。人員を削減して利益を追求することに、汲々としている鉄道会社の姿が、明らかです。
 女子高生が死んだ事故では、2人の駅員(たった2人で安全を守れるのか?)が、2人とも2階にいて、起こった後で事故に気づいています。駅員は何をしていたのでしょうか? 切符を売るわけでもないし、検札も自動です。ホームで列車の通行を監視していたわけでもない。駅員は、何をするために駅にいるのでしょうか? 線路に降りて、となりのホームに移動する、なんて、言語道断。同情の余地はないものと言ってしまえば、身も蓋もありません。でも、親の監視を離れた幼児が、踏切に落ちることだってあり得ます。歩行の怪しい老人が、何かに当たって、線路に落ちることだって、あり得るじゃあありませんか。「安全」とはそのような場合でも、可及的に、事故を最小限に縮小できるシステムを構築する思想です。

 踏切を監視する係員か設備があれば、それと駅員がホームで安全を確認していれば、死なずにすんだ命があったのかも知れないと思うと、つくづく、人に優しい社会ではなくなっていると実感せざるを得ません。南海電鉄にも、近鉄にも、そこまでして安全を確保する気持ちは、爪の先もないのだと思った事故でした。駅員は、何よりも乗客の安全のために、駅にいるのではなかった、のですね。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100408/crm1004081131010-n1.htm

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May 13, 2010

死ぬ気になれば?

 警察庁が去年の自殺統計を発表しています。総数は3万2845人、50
才代が最も多くて6491人、性別では男性が7割超を占めたということです。因みに日本の自殺率は、ロシアの除く先進国中第一位です。日本がいかに暮らしにくい国であるかを物語っています。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2770.html

 そんなに「今」が辛かったんだね。何度も考えただろうに。他人の存在が、もう何の意味もない、というか、自分のまわりに人がいることだけで、苦痛なんだろうね。「愛」って言葉も、とうに崩れ去った希望。他人を救うのを仕事にしている人も、結局は、つまりは「自分が」なんとかしないと、と言うだろうし。宗教みたいに「他人のため」という名の、金儲けだったりするし。いい加減、説教も聞き飽きただろうしね。

 やっぱりこのご時世、働き盛りのお父さん世代が生活苦やリストラから、というパターンが多いようです。それと「いじめ」。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100513-OYT1T00682.htm
http://www.shinrankai.or.jp/jinsei/jin08.htm

 豊かな国?日本で、生活苦から自殺する父親なんて、一人もいちゃいけねえだろ!? 人に優しい国なら、中学生が「いじめ」で自殺なんかしないだろ? 日本は、経済大国なんかじゃあなくて、世界に希に見る、他人に冷たい歪な社会をもつ国だということ、身につまされます。

 失恋して自殺する若者や乙女は、もういないのかな? 自殺するのは男が70%超え? 「弱い女」は一体どこにいるんだよ? 「弱きもの、汝の名は女なり」とはシェークスピアの有名な台詞ですが、この「弱き」の意味は、「不貞な」という意味でした。翻訳ミスです。

 「死ぬ気になれば」なんて、よくある幸せな奴の無責任な言い草で、追い詰められて、今食うものがないのに、死ぬか人を殺すかしかないだろう? アルバイトや求人募集をみても、年齢制限で、もう絶望してるおじさんに、説教してる場合じゃないってえの! 毎日俗悪なテレビ番組ばっか見てると、他人のことを考える、なんてできなくなっても仕方ないか。

 医者は、やたら「うつ病」のレッテルを貼って、向精神薬を投与して、ひたすら「うつ病}の患者を増やしつづけてるし。みんな、自分さえよければ、それでいいってことか。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2150.html

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May 10, 2010

IKEA、イライラする家具屋

家具のユニクロ版、と言いたいくらい流行っている、みたい、ですが、IKEA という家具屋さんの大阪店に行って来ました。結論的に、もう2度と行きたくないお店で、そこで買い物なんて、まっぴらごめん被りたいというのが感想です。
http://www.ikea.com/jp/en
http://watch2ch.2chblog.jp/archives/2342349.html

 スウェーデンの家具屋さんとかで、「北欧風」家具を売り物になさっているようですが(実際はスウェーデンの企業ではないらしい)、ザッと商品を見させていただいた限りでは、ただの安物家具という印象です。とても、毎日使いたい、という感じではありませんでした。その家具があるから、早く家に帰りたくなる、というくらいにインパクトがないと、とてもあの不便な立地のお店に足を運ぶ意味はありません。以前にイノベーターというノルウェーだったかの家具を見たときは、北欧家具ののデザインの良さに惚れ惚れしたものでした。最近ではB&Bというイタリア製の家具に惚れ込んでいますが、まさに「惚れ込む」という感じです。家具は一生使うことの多い商品ですから、その点を考慮して買い物をしないと、巨大ゴミの山を家の中に抱え込むことになってしまいます。
http://cruel.org/economist/ikea.html
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20060413/101317/

 IKEA はイライラするお店でした。まずシャトル・バスの乗り場がHPの地図では解り辛い。そして、電話番号そ苦労して探してかけるのですが、音声案内が出て、オペレーターにつながるまで、相当時間がかかります。間に英語のアナウンスがあったりして、もうイライラの極致。その割にオペレーターは暇そうで、なら、高い買い物をさせるのだから、最初から出ろ!と言いたくなる。お店は周りに何もない辺鄙な所で、店内は、大きな家具倉庫です。やたら雑多な商品を詰め込んだ中を、ひたすら歩かせるように仕組んであって、とにかく疲れる。ディスプレイは北欧もへったくれもない、ただの羅列方式で、店内で、レジやトイレや、上の階へ上がるエレベーターや階段を探すのは至難の業です。特にレジが、出口に一カ所しかないので、混雑するのと、店内が迷路になっていて、遠いため、商品の取り替えに走ってもどるのは不可能です。そんなときも、ユニクロと違って、店員さんが走って行ってきてくれる、なんて気の利く奴はいません。店内で食事はできますが、セルフサービスの行列と、関取合戦が待ち受けています。サービスという見地からは、最悪の状況です。北欧風の優雅な食事やカフェどころか、地方の三流大学の学食並です。

 商品は人目でわかる安物ばかりです。北欧家具を買って、優雅なインテリア、なんて考えで行くと、絶望します。一人掛けソファーなど、4〜5万円からあるのですが、とにかく角のとっていない、金をかけないデザインが徹底していて、みていて貧乏くさいのと、使うのも危険。ちょっといいかな、と思って価格を見ると、24万円とか書いてあって、じゃあ、どこでも同じじゃん、と思ってしまいます。
http://portal.nifty.com/2007/04/22/a/

 以前、自宅で使っていた家具に不具合が生じたとき、買い求めた大丸百貨店に電話したことがありました。すると、その日のうちに売り場の責任者が家に来てくれて、その場で現金で代金を返してくれて、商品を引き取ってくれたことがありました。そうまでされると、当然のように同じお店で、もっと高い代品を購入することになるので、結局お店としては損をしないのですが、安物店でものを買うと、多分そうはいきません。IKEA の場合を想像するに、電話の応対がそんなで、店内にも相談する店員はほとんどいない状況ですから、買ったあとのアフターサービスに期待するのは、愚かの至りだと思います。まず商品を、大きな車で運ぶか運送屋を手配して、お店に持ってこいと言われるのが目に見えています。

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May 7, 2010

キューバのこと

 たいへんインテリで英語の堪能なタクシーの運転手のあんちゃんは「キューバには貧富の差がありません。みんな貧乏です」といって笑った。野球のスター選 手もそこらの散髪屋のおやじも給与体系にはまったく差はなく働きに応じて公社から給与が分配され、そうすると誰かより金持ちになるのがいいことだという発 想がうまれない。ずるをするのは後ろめたい。人が困っているとみるとサッと自分のもっている何かを投げだす。

       いしいしんじ「熊にみえて熊じゃない」マガジンハウス p129

 次は京都市伏見区のラブホで掃除のアルバイトをしている、中国人の大学生の文章です。
 部屋の掃除で時々一緒に組む50代の日本人女性がいた。ある夜、2人で掃除を終え、ソファで向き合った。
 離婚して今は一人。一人息子は近く結婚する。つらい思いもさせたから、老後の面倒はかけられない。昼間も別の会社で電話業務。いつか老人ホーム に入るため資金を貯めている、と明かした。
 「老人ホームに入りたい?」。
驚いて身を乗り出した。
 中国ではどんなに貧しく家が狭くても、親は子供が面倒をみるのが当たり前。「家族を捨てる感じですよ。彼女は寂しくないって言ってたけど、信じ られないよ」。後日、従業員室でその女性が菓子パンを一つくれた。翌日、彼女が辞めたと上司に聞かされた。
     
                京都新聞 2010年 5月4日 社会面より


 日本人は自分の子供を虐待しています。身内で殺し合いをしています。
 連日のニュースでは、ギリシャが国家として破産状態です。でも、国民一人あたりの借金は、日本の方がはるかに多くて、ギリシャの次は日本だと言 われています。日本は、すでに立派な破産国家です。

 日本は金持ちの国だとか、日本人は誇り高い民族だとか、根拠のない、希望的な自己満足感を持っていては、進歩はありません。他の国の欠点をあら 探ししては、みみっちい自己満足をしている間に、もう上海に追い越されています。愛知万博の総入場者数はたった2000万人だったこと、もう忘れています よね。今では、中国の金持ちの爺さんが、うら若い日本人の女性を、金で自由にしています。

 一つ二つブランド品を持っているからと言って、自分はリッチな日本人の一人だと、勘違いしていてはお寒い。ユニクロの安売りにたかって、スー パーの半額に血眼になっていて、どこが金持ちなんだと、本当の自分と、本当の日本の姿を知らないといけません。

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May 5, 2010

日米関係か沖縄か?

 相変わらず、「日米関係」を維持するために、沖縄の基地は、相変わらず沖縄に、という方向は変わっていません。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2008021302087056.html


 日本全国のどの地方団体も、沖縄を憂えて、じゃあ基地はうちの県に、と言い出さないのは何故ですか? 大阪の橋下さんも、東京の石原さんも、普 段は威勢がいいのに、同じ日本人の苦しみに対しては、冷酷な沈黙を守っています。どちらも「日米関係優位」の「沖縄切り捨て」派なのでしょうか。そんな危 険なものは受け入れられない、ということでしょか? 基地は「危険なもの」なのですか? 環境破壊になるからでしょうか? 基地は環境破壊になるものです か?

 テレビで偉そうなことを言っている学者や評論家となると、もう彼等は血のかよった人間ではない、としか思えません。日本全体が、沖縄を差別して いる、としか言いようのない状況です。他の国なら、国を挙げて、アメリカを追い出す運動が起きているに違いありません。女子中・高生が強姦されることくら い、仕方がない、自分が安全なら、沖縄の犠牲はやむを得ない、というのが、大抵の日本人の考え方です。こんな恥ずかしい民族は世界に例をみないことは明ら かです。北朝鮮やイランのことを、アメリカの尻馬に乗って責める人は多いですが、その北朝鮮もイランも、アメリカに対してははっきりと自己主張していま す。土下座して靴まで嘗めている我が国の不甲斐なさは、ほとほと情けない。「恥を知れ」とは鳩山さんではなくて、私たち日本国民ひとりひとりが受けねばな らない罵倒です。

 日米関係って言ったって、最近の歴史を振り返っても、ロシア十月革命の時に、革命に干渉して出兵したのは日本の方です。革命ロシアが日本を侵略 した歴史的事実はありません。先の大戦で、朝鮮を併合して、中国始め、アジア諸国を侵略したのはこの日本です。また、日本に原爆を投下し、ベトナムやアフ ガン、イラクに戦争をしかけたのはアメリカです。アメリカの軍隊や兵隊が沖縄で無数の犯罪を犯して、若い女性は夜の外出ができない状態を作っておいて、日 米関係が一体、誰から誰を守っているというのでしょうか?アジア諸国にとって怖い国は、再軍備した日本と、歴史上唯一の「核使用国」アメリカです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%87%BA%E5%85%B5
http://www.hurights.or.jp/newsletter/J_NL/066/07.html
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Iraq/iraq_body_count.htm
http://kamurai.itspy.com/nobunaga/genbaku.htm

 国民ひとりひとりも、NHK を始め、アメリカに屈服したマスコミと同じように、鳩山さんひとりに責任を押しつけるのは卑怯です。私たちの国の問題であり、私たちの同胞が苦しんでいる のですから、鳩山さんがアメリカと交渉するために、圧倒的な有利な世論を形成する義務が、私たちにあると思うのですが、日本人って、ユニクロで安い物を買 うことと、セックスのことばっか考えていて、真実情けない。

http://nobase.org/
http://jucon.exblog.jp/
http://www.amazon.co.jp/%E6%B2%96%E7%B8%84%E3%81%AB%E5%9F%BA%E5%9C%B0%E3%81%AF%E3%81%84%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E2%80%95%E5%85%83%E6%B5%B7%E5%85%B5%E9%9A%8A%E5%93%A1%E3%81%8C%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AE%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%82%92%E8%AA%9E%E3%82%8B-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88-No-444-%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%B3/dp/4000033840
http://saron-kinyoubi.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-47e4.html

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May 2, 2010

プロポーズ

(この文章は書き抜きです。)

 マンチェスター・イブニング・ニュースによると、二十四才のヘザー・ヒッキーさんはイギリス人で、二児の母である。とても有名な海賊映画のシリーズ三作目を見に行くのを楽しみにしていた。ヘザーさんは、恋人のマーク・スペンサー君、彼は二十七才、と連れだって、オデオン座にでかけた。マーク君はヘザーさんの子供の父親でもある。ふたりは席につき、ポップコーンを食べた。やがて照明が暗くなり、日本だと予告編がはじまるところだが、オデオン座では、そうならなかった。スクリーンに、ヘザーさんの知っている人の顔が映った。ヘザーさんは動けなくなった。それは、彼女のとなりに座っている、マーク・スペンサー君の顔だった。スクリーン上の巨大なマーク君は、「ロマンチックすぎると思うか」といった。「おまえのぜんぶをあいしてる。それを、世界じゅうにしってもらいたいと思って」。ヘザーさんはなにもいうことができなかった。となりの席を振りむくと、、普通サイズのマーク君が片膝でひざまずいていた。差しだした手には指輪が握られていた。ヘザーさんはなにもいえなかった。ふたりは互いの背に手を回し、ゆっくりとかたく力をこめた。ヘザーさんは自分の目からなにかが溢れでるのを感じた。映画館の観客全員が拍手を送った。
 マーク君はこの日の前に、オデオン座の社長に、自分たちが映画を見にきたとき、プロポーズの言葉を書いた紙をスクリーンに映してくれないか、と相談にいった。オデオン座で働いているひとたちは、「もっといいことがある」といった。そして、マーク君が主演の、プロポーズ映像を撮影し、それを有名な海賊映画の前に、上映したのである。

  いしいしんじ 「熊にみえて熊じゃない」(マガジンハウス)pp10〜11

 いいお話です。そんなことを考えたマーク君も、オデオン座の皆さんも、そして、ふたりに拍手を送った観客のひとたちも。日本の国で、同じことを考えて、実行しようとしたら、どんなことになるかと思うと、つくづく日本人は他人に優しい民族ではないと、思わされます

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May 1, 2010

夢やぶれて I Dreamed A Dream

昔は男も 甘い言葉ささやいたわ
恋に酔いしれた
世界は歌 歌にときめいた
夢だわ もう今は

夢を見ていたわ
望み高く生きて
愛がすべてだと
神は許し給うと

若く勇気溢れ
夢は輝いていた
自由にはばたき
歓び追いかけた

夢は悪夢に
狼の牙が
望み引き裂き 夢喰いちぎり

夏 あの人来て
喜び あふれた
私抱いたけど
秋にはもういない

まち続けてるわ
あの人の帰りを
愚かな幻
木枯らしが吹き消し

夢見た人生
今地獄に
落ちて二度と私には
夢は かえらない


                 ミュージカル「レ・ミゼラブル」より
                 岩崎宏美・訳

 日本にも来た、Susan Boyle(スーザン・ボイル)さんを一躍スターダムにのし上げたことで、有名になった歌です。
http://www.youtube.com/watch?v=hZTmbmvYSm0

 日本の岩崎宏美さんが、チェコ・フィルとの共演したアルバム(TECI-1162)に収録されています。彼女はこの歌を収録し終えた後、感想で、「今日この歌を録り終えて、私の中にひっそりと息づいている明日への自信のような想いが芽生えました」と語っています。

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